一転
振り下ろされたニーナの大剣。
それをたった一つの剣が受け止める。
「……貴方は」
その剣を持った人物。
それにニーナは見覚えがあった。
一騎当千の強者、エース格としてアイランク侯爵家に仕えていた騎士の一人であった。
「……まず」
そんな騎士に一度、動きを止めてしまったニーナは一気に自分の四方を囲まれ、そのまま多くの剣を向けられる。
そんな中で、ニーナは強引に大剣を持った一回転。
強引に周りを弾こうとするが、それも騎士の男によって強引に封じ込められてしまう。
一度、止められた不安定な態勢の中で再度、慌てて大剣を振ろうともうまく力が伝われなかったのだ。
「嘘っ……」
一度目の目論見は失敗した。
だが、そんな中でもニーナにはまだ余裕があった。
ニーナは迷いなく大剣から手を放して、後方へと下がっていく。
「逃がすかっ!」
「「「……っ!」」」
そんなニーナを追って、彼女の大剣を止めた騎士、並ぶにその騎士へと並ぶだけの実力者たちが飛び出していぅ。
「……多いですね」
そんな彼らを相手に武器さえも持たないニーナは避けるばかりとなり、防戦一方の状態にまで追いつめられていく。
「あれを逃がすなっ!裏切りものはここでとらえるっ!」
「何ならもう、ここで殺してしまいましょう……っ!殺す気で行かなければ負けてしまいますわっ!」
「武器を再度、握らせるなよっ!武器を持たせたときの彼女の脅威度は跳ね上がるっ!止まることなく挑み続けろっ!」
もはや、彼らはニーナに再度、大剣を作らせる余裕さえ与えない。
「……」
それでも、ニーナは危なげない動きで一騎当千の者たちを相手に平然と戦い、自分の身を守り続けていく。
これだけの戦力を敵に回しても、まだ、ニーナに負けるような気配はまるで感じなかった。
「ちょっ!?」
だが、ニーナが一人。前線から逸れ、圧力が無くなった結果。
「我ら王の剣なりっ!」
「「「我ら王の剣なりっ!」」」
一気にカルミア王国の兵士たちが真っすぐに進軍を始めだすのだった。
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