剣
僕がガクに対して、支援を募っていた頃。
そのほかのみんなも色々と支援を募っていた。
ニーナも僕と同様、カルミア王国内のコネを用いて支援を募ったり、ガリアもガリアで支援を募る。
みんなでニルシア小国の物資面を解消しようと動いていた。
そんな中で。
「私たちの方もまるで足りません」
「こっちもか……!」
レジスタンスの方でも物資面の問題が大きく存在していた。
レジスタンスのトップであるピリアの話を聞く僕は頭を抱える。
「独立運動を起こすとしますと……かなりの物資を消費することが予想されます。アカギ様より頂いた下賎な貴族の金銭より急速に物資を集めていますが……」
「限界があると」
「そうなります」
僕の言葉にピリアは頷く。
「……うーん、とはいえ、こっちもないからなぁ」
レジスタンスを支援してあげようにも、こっちの方にも物資は無い。
「ですよね」
「何が一番ない?」
「武具ですね」
「武具か……」
武具、武具……か。
「よしっ」
僕は魔法を発動し、一振りの剣を作り出す。
鉄製のしっかりとした逸品を。
「……っ、これは?」
「いや、使えないかなって思って……何本欲しい?」
「千本ほどあれば困ることはなくなると思いますが」
「……なるほど」
ピリアの言葉に頷いた僕は魔法を発動し、この場に次々と剣を作り出していく。
「これで千本」
そして、その数はとうとう千本にまで達した。
「こ、これを使ってもよろしいのですか?」
「……ちょっと待ってね」
「承知しました」
魔法で作りだしたこの剣。
これはあくまで魔力で作っただけのものであり、一度使えば永続に残り続けるわけではない。僕が魔力の供給を断つだけで消えてなくなってしまう。
だが、逆に言うと魔力を流し続ければその剣は永続に維持され続ける。
「……いける、か?」
問題は千本もの剣を維持し続けるだけの魔力があるか、どうか何だが……。
「うん、いける」
洒落にならない魔力消費ではあるが、それでも何とか行けると僕は判断を下すのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます