小国の
自分が帰ってきたニルシア小国の首脳部。
そこではもう既にお通夜モードだった。
「……想像以上に厳しいですね」
僕が帰ってきたときはちょうど、ニルシア小国の国王陛下に宰相、将軍格たちが集まっての会議を終えていたところだった。
会議を終え、王女様とガリア、ニーナが集まっての小さな会議を行っているところに僕が参戦した形となる。
「そうなの?かなり、うまく行っているように見えていたけど」
本当についさっきニルシア小国の方に戻ってきていたせいであまり現状を把握できていない僕は疑問の声をあげる。
「えぇ、戦い自体は完勝です。ですが、やはり……どこまで行っても物資が厳しいです。軍隊を動かすというのはかなりお金のかかる行為であり……それを支えられるだけの実力が我が国に。戦争計画も、ほとんど持っていませんでしたから」
まぁ、ニルシア小国の立地的に戦争になったら即刻で敗北するのが既定路線だしな。
国境を接しているのは何処も大国故に。
「ニーナさんの商会などからもかなり格安に、というよりも無償で物資を引き渡してもらったりもしているのに、これです。カルミア王国はガタガタですが、それでも大国。物資が尽きる様子はなく、あの大惨敗の後も何か、向こうにダメージが言ったとは思えません。それに対して、私たちの方は一度、相手をつり出すためにカルミア王国の方に侵攻する軍事行動をとっただけでもうだめです」
「……そんなにひどいの?」
「はい。大規模な軍隊を一度、動かすだけで息切れを起こします。人的被害はまだ少なく済んだのですが……」
王女様は肩を落としながら答える。
「俺の方でももうちょっと融通出来たら本当はいいんだけどなぁ。俺の方では自分の持ってきた軍を動かすので手一杯……それでも、俺らのところは大量にいるわけじゃない。あまり多くを動かし過ぎると本格的にカルミア王国との戦争に発展しかねないからな」
「これは、思ったよりも前途多難なのか……」
王女様とガリアの話を聞く僕は現状の至らなさに驚きのこえを漏らすのだった。
正直、ここまでとは思っていなかった。
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