新聞
あくる日の朝。
いつものように食事を楽しみ、ゆったりとした時間を過ごそうとしていた中。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああっ!?ちょっ、これは、いったいどういうことなのっ!?」
まずはいつものように世界情勢について知るためにニルシア小国が出しているずいぶんと高価な新聞を読み始めた僕はまず一番最初の見出しを見た瞬間に大きな声を上げて立ち上がる。
「ど、どうしたの……?おにぃ」
そんな僕に対して、ニーナが困惑の声を上げながら、自分の方に視線を送ってくる。
「そんな悠長にしている場合じゃないよっ!?これを見てっ!」
そんなニーナへと僕は自分が今、読んだ新聞の見出しを見せる。
「……カルミア、王国が、ニルシア小国へと宣戦布告」
ニーナはその新聞の見出しを音読し始める。
「布告理由は……アイランク侯爵家の娘を誘拐した既に貴族籍を抜かれている犯罪者をニルシア小国が匿っているため……はぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああっ!?」
そして、それを読み上げ終えたニーナは全くもって僕と同じ反応をとる。
「なに……何、言っているの!?あの愚鈍どもはぁぁぁぁアアアアアアアアアッ!?」
そして、そのままニーナは怒りの声を上げる。
「何処までも、何処までもあいつらは私とお兄様の生活の邪魔をするぅッ!!!」
そんなニーナはもうこの場を震わせるような殺気を醸し始めながら歯ぎしりを始める。
「これは、どうするべきか……」
ずいぶんと物騒な反応を見せるニーナを横目に、これからどう動くかを僕が考え始める。
だんだんだんっ!
そして、その次の瞬間には自分たちの自宅の扉が力強い力で叩かれ始める。
「カエサル様っ!カエサル様っ!いらっしゃいますかっ!」
扉の方から聞こえてくるのは自分が振った以来、会ってはいない王女様の切羽詰まったような声であった。
「いるよっ!」
それを受け、僕は慌てながら自宅の玄関の方へと向かっていくのだった。
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