監禁
申し訳ないと王女様の告白を断ってきたその次の日。
「んっ?」
いつものように朝、目覚めた僕は自分の足首に慣れない感触があるのに気づく。
「なんや?これ」
それで布団をひっぺ剥がして、自分の足首の方に視線を向けると、鎖の繋がった足枷が僕の右足にくっついていた。
「何や、これ」
足枷をこんこんと叩く僕は首をかしげる。
マジで何、この悪趣味な奴が作った代物は。信じられないくらい面倒な魔法がかけられていて、中々壊せなくなっている奴じゃん。
これを壊すのとか一時間弱くらいはかかりそうなんですけど。
「えぇー、誰がこんなことをしたの?」
何でこんなものが僕の足首につけられているのか。
用意するのも大変そうなこの一品を一体、誰が僕の元に?僕は首をかしげながら、周りを見渡す。
「別に家の中だけど」
周りを見渡してみても僕の視界に映るのは見慣れた自宅のベッドである。
知らない天井ではない。
唯一、いつもと違う点は普段、僕が起きている時間はぐぅすか眠っているニーナの姿が自分の隣にないところくらいである。
「誘拐されたわけでもないのに何で?」
別に足枷のつけられるような状況が自分の元にやってくる可能性は全然あると考えている。
僕を追放した家の方から何されてもおかしくないからね。
ただ、それが家の中となってくると話が変わってくる。
何で、僕の家で拘束されるの?別に家の中にはニーナ以外の人物の気配もないし……本当にどういうこと?
僕が困惑していた中で。
「んっ……?」
僕はニーナが動き出したことを感じ取る。
二階建てとなって自宅。
そのうちの一階にあるリビングの方から二階の寝室へとニーナが移動してくるのを僕は敏感に察知する。
「おにぃ、起きた?」
そんなことをしている間に、寝室の扉を開けてニーナの方が顔を出してくる。
「あぁ、起きたよ。おはよう。ずいぶんと今日は早起きだね」
「うん、おはよう。おにぃ。早起きしちゃった」
そんなニーナへと、僕は自分の現状のことも忘れて挨拶していくのだった。
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