告白

 自分へと真っすぐに告げられた告白の言葉。


「えっ……?」


 それに僕は困惑の声を漏らす。


「最初は憧れでした。自分を王子様のように助けてくれた人への……そして、その淡い憧れがいつしか、恋心へと変わっていきました。最初から、だったかもしれませんけど」


 そんな僕に対して、王女様は相も変わらぬ様子で言葉を話していく。


「私はカエサル様の優しいところが好きです。迷いなく自分を守り続けてくれた貴方の優しさが、日々の生活の中でも垣間見られる些細なところが、誰にでも見せるその優しさが」


「私はカエサル様の家族思いなところが好きです。妹さんに向けているあの視線を見ればわかります。もし、子供が出来れば貴方は持っているその愛情をいっぱいに向けてくれるでしょう」


「私はカエサル様の人間臭いところが好きです。突然の事態を前にしてあわあわしているところが好きです」


「私はカエサル様のお強いところが好きです。竜を殺した姿への情景は止められないでしょう」


「私はカエサル様の甘いところが好きです。難しい立場ながらも、何だかんだ言いながら人を殺すのを躊躇してしまうその甘さが」


「私はカエサル様の頼もしいところが好きです。何処までも甘くて、何処までも優しくて、それでもなお、やるときはしっかりと頼もしいところを見せる貴方が好きです。私は貴方のすべてを愛しています」


 そして、そのまま流れるように王女様は僕の好きなところを列挙していく。


「お、おぉう……」


 それを受けて、僕に出来たのは頬を赤く染めながら動揺の声を漏らすことだけだった。

 い、いや……だって、仕方ないじゃない。

 僕は前世で告白とかされたことがなかったし、当然、今世だってなかったよっ。そんな僕がいきなり王女様から告白を受けるとか予想外過ぎて、そんなしどろもどろな声を漏らすことしかできないよっ!


「カエサル様」


「う、うん……」


 未だ動揺から立ち直ることが出来ていない僕。


「私の……告白に対する答えを、聞いてもよろしいでしょうか?」


 そんな僕へと王女様は何処までも真剣に僕へと言葉を告げるのだった。

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