女が強い世界で、魔導師は生きていく

水瀬 若葉

第1話 魔導師

この世界は魔素マナに満ちている。


人々はこの科学の発展していく世界で魔法•魔術に意味を見出した。


魔術はやがて必修科目となり、それ専門の学校ができるレベルである。


そんな世界で俺、御上 陰は魔導師という職業を持っていた。


この世界の魔術師•魔法師には階級がある。

下から順に、魔術師、魔法師、魔道士、魔導師、魔女である。


そう、一番上の魔女は女にしかなれない特別な職業なのだ。


この世界では女は生まれただけで喜ばれ、高度な教育を受け、育っている。


元々女は魔導の適性が高いのだ。そんななか俺は必死に生きてきた、魔術を、占星術を魔法を、魔道を魔導を、呪術を、知りうる限り、可能な限り、ほとんどの魔導を研究し、知り尽くし、人生のほとんどを魔導という叡智に掛けてきた。


だが、魔導を魔術を、極めるには時間が足らなすぎた。


だけど!だが!諦めキレなかった、諦めたら俺の人生が、俺の時間が全て無駄に、消えてしまうかの様に思えたからだ。


俺はとある儀式の準備をしている。


知りある限りの生命エネルギーに関する魔道具を、魔術具を並べて、中央には羊皮紙に血の魔導陣、そして現在空には満点の星空が並んでいる。


星振が正しき時、その時には殆どの魔術が、星の力によって補強される、この時この時間しかなかった。


老いぼれた体に大量の注射、血液を輸送する管、こえが枯れるまで研究の成果を歌い続ける。


狂気的な歌、生命を司る歌、体を、心を、魂を全て魔導陣へ、魔法陣へ通わせ、乗せ、調和し、共鳴し、讃美歌を奏でる。


すると、体が塵とかしていくのが目に見える、足のつま先から膝、腰辺りへと浸食していく、それでも歌い続ける、胴に浸食する、そこから肩を伝い腕へ、手へ侵食し白い塵となり空へ舞っていく、首から顎に行った時讃美歌は終了し、頭のてっぺんまで塵とかしていく。


意識が完全に消えた時


         §


「ウェーーン、ウェーーン、ウェーーン」


自分の中声が聞こえた。


成功した、転生の魔術、輪廻の魔術、今俺の脳の皺は気持ちわるいくらい大量になっているんだろう。


この赤ん坊には魔導の叡智が、幾何学が、占星術が呪術がその知恵が全て詰まっているのだから。


生まれた時、心臓を掴まれる感覚がした、脳を焦がされる感覚がした、これは魔魂入れ、魔力の塊を、動力炉を体に入れ込む術だ。これは幼少期にやる事により魔力量を増やすというものだ、これはあればあるほど魔力が増えるというやるだけお得というやつなのだが、基本的に赤ん坊はその痛みに耐えられず死んでしまう方がある。


俺は呪いで痛みを消す、痛覚を無くせば何の問題もない。


魔魂がまだ馴染んでないのか、魔力が不安定だ。


これから、魔力増強に積極的になるか、、、

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女が強い世界で、魔導師は生きていく 水瀬 若葉 @jacknextplay

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