おじさんメイクの歌

藍田レプン

おじさんメイクの歌

おじさんがメイクをしてもいい時代 今日も瞼を宝石にする


下地塗りファンデーションにアイブロウ カラコンつけて自撮り確認


子供の頃は嫌だった 天パが武器になる日が来るとは


ジェルネイルあまり長くはできないけれど 爪を見るたび笑みがこぼれる


男には正直マッチョがもてる世界 それでも好きを貫いていく


きっかけは何だったろう アヴちゃんだったかもしれない


和服洋服チャイナ服 その日の気分でメタモルフォーゼ


四十五で若く見えたいわけじゃない なりたい自分になるだけのこと


毎日メイクをする女(ひと)の強さを実感 おじさんメイク


パレードも虹にも興味はないのだが 私はここにおじさん革命


多湿に弱く乾燥に弱い 私に似てるねキングプロテア


紫陽花一輪髪に挿し 今日は鎌倉明日は舞浜


白いシャツ襟元汚すファンデーション それでも着たい夏の誘惑


夢を売る仕事に少し疲れたら 自分に夢をと鏡に向かう


好きなタイプを聞かれたならば答えるが嘘は言わずに性別を隠す


染めた銀髪潮になびかせ いつかの終わりを感じる黄昏


いつか当たり前の世界が来る だけど今はまだ変わったおじさん


さようなら それじゃまたねと手を振って メイクを落とす普通の私


美容パックの冷たさよ 明日はどんな私になろうか


花緑青の夢に溺れて 君といきたい楽園の海

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おじさんメイクの歌 藍田レプン @aida_repun

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