捜02-02 謝允 他三編

謝允しゃいん


謝允が武當山ぶとうざんから帰還し、桓温かんおんの宴席に参列した。ここで左慈さじ曹操そうそうのために水を張った銅の碗からいきなり鱸魚を釣り上げた、という話題が出てくると、謝允は言う。

「わしもできますよ」

そして水を張った大甕を求めると、朱にて符を書き、甕の中に投じた。間もなくして鯉が現れ、パシャパシャとひれで水面を叩くのだった。



杜子恭としきょう


錢塘せんとう杜炅とけいは秘術を操った。かつて人から瓜割り用の刀を借り、しばらく返さなかった。刀の持ち主から返すよう求められると、杜炅は言う。

「間もなく戻ってくるだろうさ」

刀の持ち主はやがて嘉興かこうに出向いたのだが、その船に魚が一匹飛び込んできた。魚の腹を破ると、杜炅に貸したはずの刀が出てくるのだった。



鼠市そいち


太興たいこう年間、則ち東晋が立ち上がって間もなくの頃、衡陽こうよう人の區純くじゅんが鼠市を立ち上げた。1.8m四方ほどの囲いで、四方には門があり、それぞれに木でできた人形が置いてある。中には四、五匹ほどのネズミが駆け回っていたのだが、ネズミが門から出ようとすると、人形に押し返されるのである。



比邱尼びくに


しん大司馬だいしば桓溫、字は元子げんし。その最晩年、とある比邱尼と出会った。彼女の名は知られていない。遠方より来て、桓温のもとに寄寓するようになった。彼女は尼僧として並外れた才気、行状であり、桓温は並ならぬ崇敬の念でもって彼女を自身の邸宅内にて遇した。

彼女は毎回同じ時間に沐浴をなしていた。いったい何をしているのだろうかと桓温が覗いてみれば、彼女は裸身となり刀にて腹を割き、また頭を身体から切り離しもしていた。更には自身の身体を切り分けたりもする。それを見た桓温は怖じ気づき、その場から逃げ去った。

やがて沐浴から戻ってきた尼僧はもと通り、先ほどまでの自身を切り分けていた様相など微塵もうかがわれない。これはいったいどういうことなのかと桓温が問えば、尼僧は答える。

「もし主上を凌がんとなされれば、あのようになりましょうぞ」

この時桓温はまさにときの皇帝より簒奪をしようかと計画していたところであり、この話を聞き怯え上がり、このため自らを戒め、結局は最後まで臣節を守った。尼はその後桓温の元を去り、どこぞともなく消えた。




謝允

謝允從武當山還,在桓宣武座。有言及左元放為曹公致鱸魚者,允便云:「此可得爾。」求大甕盛水,朱書符投水中。俄有一鯉魚,鼓鰭水中。


杜子恭

錢塘杜子恭,有秘術。嘗就人借瓜刀,其主求之,子恭曰:「當即相還耳。」既而刀主行至嘉興,有魚躍入船中。破魚腹,得瓜刀。


鼠市

太興中,衡陽區純作鼠市。四方丈餘,開四門,門有一木人。縱四五鼠於中,欲出門,木人輒以手推之。


比邱尼

晉大司馬桓溫,字元子。末年,忽有一比邱尼,失其名,來自遠方,投溫為檀越。尼才行不恒,慍甚敬待,居之門內。尼每浴,必至移時。溫疑而窺之。見尼裸身,揮刀,破腹出臟,斷截身首,支分臠切。溫怪駭而還。及至尼出浴室,身形如常。溫以實問,尼答曰:「若遂凌君上,形當如之。」時溫方謀問鼎,聞之悵然。故以戒懼,終守臣節。尼後辭去,不知所在。


(捜神後記2-2)




謝允

後漢書巻82下

嘗在司空曹操坐,操從容顧眾賓曰:「今日高會,珍羞略備,所少吳松江鱸魚耳。」放於下坐應曰:「此可得也。」因求銅盤貯水,以竹竿餌釣於盤中,須臾引一鱸魚出。操大拊掌笑,會者皆驚。

なんだこれ。


杜子恭

晋書巻100

https://kakuyomu.jp/works/16817330665599511962/episodes/16818093074666120721

なんだこれ。


鼠市

なんだこれ。


比邱尼

なんで覗いた桓温。



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