意思力を節約すればあなたの人生は豊かになる

加賀倉 創作(かがくら そうさく)

意思力を節約すればあなたの人生は豊かになる

 人は、一日に可能な意思決定の回数がだいたい決まっている。


 それらの意思決定が、


 どれほど些細なものであっても、だ。


 ここでは、意思決定のためのリソースを仮に『意思力』と呼ぶことにする。


 朝(ではなく夜かもしれない)起きた瞬間から、意思力の消費は始まっている。


 ベッドから起き上がって、まずトイレに行くか、顔を洗うか、歯を磨くか、朝ごはんは何にしよう、だとか、なんでもないことにも、意思力を費やしている。


 あるいはそれ以前に、目覚ましのアラームで一度起きて、後五分は寝れるか、いや厳しいか、髪のセットを省けば、化粧を電車の中ですれば、などと考えた挙句、まだいけると判断し、二度寝してしまう、なんてこともあるだろう。


 もっと言えば、ベッドに寝転んでいて、少し違和感があるから寝返りを打とう、だとか、寒いから、はだけた布団を頭まで被ってしまおうだとかうレベルまで意思は介在しうる。


 この意思力を、いかにして、しょうもないことでは節約し、必要なことへと回せるかが、人生を豊かに、成長するコツなのだと考える。


 意思力の節約にもってこいなのは、『システム化』だろう。


 システム化する対象はなんでもいいが、とにかく、「こうなったらこう対処する」とパターン化して体に染み付けることで、意思を介在せずに、条件反射的な処理を可能にするのである。


 例えば、物を買う時。


 私自身、商品を目の前にして結構迷うことがありますが……


 「物を買うのに悩んだら、一日置くにするようにする」と決めておけば、実際一日経った時、ものすごく購買意欲が高まっているかもしれないし、ひょっとすると、その物を欲しいと思ったのは一時の衝動で、一日経って綺麗さっぱり忘れ去ってるかもしれない。


(これを実践して何か重要なものを買い逃しても私は責任を負いません笑)


 他にも、「朝ご飯には必ずご飯、味噌汁、卵だけを食べる」などと決めておけば、朝起きて布団から出るのがスムーズになるかもしれない。


 そうして節約した意志力を、本当にしたいことに回す。


 本当にしたいことと言うと、大切な人と会う予定を組んだり、趣味や、夢のための活動をしたり、だろうか。


 次の週末、誰それと遊びたいけど、どこに行こうか、ランチの予約はどうしようか、あの子も呼ぼうか。


 明日は休みだから、ずっと見れていなかった映画を見に行くか、読めていない本を読もうか、はたまたビデオゲームをしようか。


 そんなふうに、本当にしたいことにも、モチベーションこそ違えど、意思力は少なからず費やされます。


 つまりは、日常のしょうもない事やあまり好ましくない事象に対処する時は、『マシン』のようになり、本当にしたいことについて真剣に考える時は、『意思ある人間』になる。


 そうすれば、意思力は大幅に節約され、本当にしたいことがたくさんできて、日々の生活は満足のいくものに、人生は豊かになるのではなかろうか。

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