サッカー少年よ、女などに惑わされず精進せよ!(そっちは非モテの私に…)

貧乏から脱出するために選んだサッカーの道。
努力の末に得たものは、よく分からないまま、篭絡によって失ってしまった。

絶たれたはずのサッカーの道。

だが、そんな主人公を仕組まれたかのように救ってくれたのも、またサッカーだった。


常に全体が動いているサッカーは、小説とは相性が悪い気がします。
でも、コーチとして俯瞰し、必要なところを緻密に描くことによって、それを覆そうと努力されています。

とは言いつつ、あまり出てきませんが、個人的には序盤の主人公視点の試合描写がいい。
テレビでサッカーの試合を見ると、やっぱりボールを追いがち。
でも、実際にはいろんな思惑のもとに個人が動き、ボールを挟んで『個』がぶつかり合っています。
小説の強みは、なんと言っても人物の内面が書けること。
アニメのように派手な映像でごまかせない分、試合中、どういうことを考え、自分の行動で、敵・味方をどう動かしていくのか。そんな様子がよくわかります。

やっぱり、サッカーは『駆け引き』が面白い。
そんなことも思わせてくれました。

専門用語、例えば、ダブルタッチやルーレット、クライフターンなどが分からなくても大丈夫!
無理に脳内でイメージできなくても、丁寧な描写があるから、小説の流れから何がしたいのかは分かるはずです。アニメでも、ニュースが流す1シーンでも、『何をするか』の該当シーンを適当に脳内にぶち込んでおけば話はつながりますよ。
そう呼ばれているテクがある、複数を使い分けているって感じで読み進めるのがコツです。


しかし、サッカー業界って、なかなかドス黒いんだな……(^^ゞ

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