窓からの訪問者

「翠ー?夜ご飯だよー?出ておいでー?」

「んるるる、にゃっ」

召喚できたと思われるけど、多分翠は普通に野良猫だったんだろうな。さ、私も夕飯そろそろ出来上がる頃だから翠の食器持っていくかぁ。

「翠、このカリカリお魚の風味強くて好きにゃ。」

「そっかそっか、よかっ…?」

翠、このカリカリお魚の風味強くて好き…?

「翠?」

「にゃぁ?」

「おしゃべりできる?」

「できるにゃ?」

っていうことはちゃんと魔女になれたっていうこと?えっ…でもここ2,3週間は何もなかったよね?

「なんで急に喋れるようになったの?」

「翠、前ちゃんと話したにゃ。柊が魔女になった時に喋れるようにんるって言ったにゃ。今柊は魔女見習いになったから翠が喋れるのにゃ。」

ほぅ。見習いなのね。…ん?ノック?夕飯かな?

「ごめんくださーい?」

違う、窓の方だ。私の部屋は2階にあるから窓なんて叩けないはず…

「どうしたにゃ?早く開けるにゃ」

翠は窓の外にいる人が誰だかわかってるみたい。待ちきれなくて窓をカリカリ引っ掻いている。

「は、はい。今開けます」

窓の外には高身長の月がよく似合う、綺麗な女の人が微笑んで立っていた。

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魔女になる一週間 萌葱 @Kaiju-naho

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