最後の儀式
ふぁぁ…よく寝れた。さて今日でやること最後か。えっと?集めたものを魔法陣の上に並べる…これでほんとにできるのかなぁ。並べる前に翠の毛集めなきゃ。おばあちゃんの家にあった猫用のブラシでブラッシングしよ。ついでにリボン巻いとこうかしら。
「翠、ブラッシングするから膝の上おいで。」
「にゃぁ」
素直に膝の上に来て可愛いこと。強く肌にあたらないように気をつけないと…やだ、ごろごろ言ってる可愛い。使い魔とはいえど猫なんだなぁ。
「ブラッシング終わりー。翠に似合うリボンかぁ…やっぱ翡翠っぽい色かなぁ」
苦しくない程度で調節してあげて…
「あっ、翠!リボンの先ちょんちょんしないよ」
こういうところもちゃんと猫なのね。さぁ、翠の毛も集められたし最後やるぞー。
えーっと、まずは丸書いて三角2個絡ませて、頂点に花、石、水、枝、翠の毛を置く。それで、周りに6本蝋燭を置いて火をつける。最後に私の血が一滴。痛い…。んで?念じる?
「魔女になりたいです!」
…
…
…
…わからん。やっぱできないんじゃないのかなぁ。翠が喋ったのも夢だったんだろう。終わり終わり。魔女にはなれませんでした。さ、夜ご飯にしよー。
彼女はこの時まだ知らない。魔法陣を描いた庭に彼女の魔法樹ができることを。おばあちゃんの家にある1本の魔法樹と会話ができるようになることを。
完
魔女になる一週間 萌葱 @Kaiju-naho
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます