頭のおかしい師匠とのらりくらり旅をします

桜のパンダ

「頭のおかしい師匠」

俺には頭のおかしい師匠がいる

いきなり何を言ってるんだと思うものはいるだろう

俺も何を言ってるのか分かんないけど

とにかく俺には頭のおかしい師匠がいる(2回目)

それはなぜか?


「いいか!我が弟子よ!この草は毒でこの草は薬草だ!見た目と形はめっちゃ似てるが、それを見極めるには根っこを見るんだ!」

そう言いながら師匠は草の根っこを抜いてじぃーっと見比べる

「よし、こっちの方が薬草だ!ちなみにそのままで食べれるんだぞ」と言いながらムシャムシャと食べる

「あ、まってこれ毒だおろろろろろ」


「何してるんですか‥」

と、こんな感じで頭がおかしいのだ

「よ、よし!これで見極め方は分かったはずだ」

「全然分からなかったんですけど?なにこのまま貫き通そうとするですか」

「うるせぇ!弟子は師匠の言う通りにしろ!」

「めっちゃ暴論じゃないですか、あと勢いで押し通そうとしないでください」

と、このように頭がおかしいのである

他にもあるのだがそれは後で見れば分かる


しかし、どうしたものか

毒草と薬草が似てるので見極めるのは難しい

どう見極めたらいいのら


「あ!見極め方を思い出したたぞ!」

「いや、大丈夫なので口を閉じてください」

「ひどくない??いや待ってよ、今度こそ大丈夫だって!師匠を信頼するんだ」

「‥‥聞くだけですよ?」とため息を吐きながら言う

「この見極め方はな毒草がギザギザなのか見るんだ」

「‥‥なるほど、他は?」

「それだけ」

「‥‥そうですか」

聞いた俺がバカだった

ともあれ、ギザギザなのが毒草なら見極めることができる‥‥師匠の言うことが正しければ、だが


「よし、とことん薬草を素早く収穫して依頼を達成させるぞ!」

「あまり集めすぎないようにお願いしますよ?持っていくの大変ですから」

「任せとけ任せとけ!」

‥不安だから様子を見ながら収穫するか


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グランデ王国、ギルドにて


「‥これ全て毒草です」

と気まずそうに言うギルドの受付嬢のアリスさん

「「‥‥」」

師匠と俺はそう言われ、呆然とするしかなかった

「‥師匠、確かギザギザなのが毒草って言ってましたよね‥」


「‥俺の記憶だとギザギザなのが毒草だったはず‥」

俺はしばらく考え、もしかして?と思い質問する

「‥ちなみにどこ情報ですか?」

「いや、本なんだけど‥タイトルが『一瞬で分かる!!毒草の見分け方⭐︎』っていうやつからなn」

「それ完全に嘘の情報ですよ」と言い終わる前にツッコム


「なんだって!?一瞬で分かるっていうから買って全部暗記したのに!!」

(なんでこいつはそんな嘘だと分かるような本を買って暗記してるんだろう、ともあれあの本は宿屋に帰ったら速攻で処分しなくては)と頭の片隅にメモをしておく、そして師匠の耳元に囁くように

「師匠、とりあえず謝罪して毒草を処分しなければいけません。そうしないとギルドマスターからのお説教が始まってしまいます」

「それは確かに回避しないとまずい‥あいつからの説教はマジで長すぎるから勘弁したい」


コソコソ話してると後ろから恐ろしい声が聞こえてきた

「おう、どうしたお前ら?なんか問題でも起きたか?」

「「あ」」

気軽に声をかけてきた人物は眼帯を付けいかにも戦士っていうような鎧を付けているこの人はギルドマスターのエドガーだ。ドラゴンを相手に死闘を繰り広げ、勝利したという人物だ

「あ、マスター!?帰ってきたんですね。

それがですね」


「いやぁ、エドガーさん!ご機嫌いかがですかね?

今日もカッコいいですね!!用事を終わらせてきたんですか?」

訳を話そうとしたアリスを遮ってエドガーに話しかける師匠‥いや、それで誤魔化せるんですか師匠

「あぁ、国王陛下から呼び出しを受けてな‥」

「なんかやらかしたんですか!?」

「なんで嬉しそうなんだ?」

「いや、全然!マスターの身に何かあったら俺は悲しいので‥」

師匠は核心をつかれわざとらしく咳払いする

いや師匠、咳払いしてるけど半分顔が嬉しそうにしてます。


「‥それで一体何をやらかしたんだ?」

ため息を吐きながらエドガーが聞いてきた

「‥‥薬草かと思って持ってきたんだけど、全部毒草でした!てへっ⭐︎」

するとエドガーは満面な笑みになる、しかしそこには目が笑ってなかった

「そうか、じゃあマスター室に来い」

そう言いながら、師匠の首根っこを掴んで引き摺り出す。

「あ、ちょ!待って!ニオ!師匠を助けるんだ!」

「師匠‥‥頑張ってください」

俺は即座に師匠を見捨てた。

「ニオーーーー!!!!」

師匠は叫びながらマスター室に連れ去られた

ちなみに今更だが俺の名前はニオ、師匠と世界中旅をして回っている。さっき連れ去られた師匠の名前は

タクヤだ、珍しい名前だなぁ

さて、自己紹介はいいとして


ここからどうしようかな

ひとまずここから離れるとしようか

「ニオ様、マスターが『お前もマスター室に来い』との仰せです。すぐにマスター室に来るようにお願いします。」

「‥‥はい」

あのマスター、俺が逃げると予想してやがった


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「‥さて、お前らへの説教はこの辺にして今回はお前らにある依頼をしたい」

師匠への説教は終わり、真面目な話へと変わる

俺の隣に座ってる師匠は項垂れたままだ

ちゃんと話を聞いていると思うが一応、話を聞いておくように注意しておく

「今回の依頼は洞窟の探索だ」

依頼内容を聞いた師匠は疑問系で質問した

「探索?討伐とかではなく?」

今まではマスターからの依頼は討伐などが多かった

だからこそ今回の依頼が洞窟の探索なのが珍しい

「ああ、ここから少し離れた洞窟でな

洞窟の中から強い魔力を感じた者が複数いたんだ

普通は急に洞窟の中から強い魔力は生まれないはずなんだ。俺はギルドで緊急依頼として出してAランク冒険者に行ってもらったんだ。そしたら数日過ぎても一向に帰ってこない」


Aランク冒険者

この世界のギルドはランクが振り分けてある

最底辺のFランクからC、B、A、Sランクで分かられ

その頂点のSランクは別格の強さとされている

「そこでSランクであるタクヤに行ってもらいたい

Aランクが帰ってこない以上、Sランクが探索に行ってもらうしかない」

確かに他のAランクが行っても同じことが起こる可能性があるからここはSランク行った方がいいしな


「‥その話はCランクであるニオも俺と一緒に行ってこいと言ってんのか?」

師匠はまっすぐマスターを少し睨む

「ああ、行ってもらう

確かにニオはCランクだ、だがいずれお前と同じSランクになる可能性がある。師匠であるお前が行くことでさらに強くなる可能性があるだろう」

そしてマスターも師匠を睨む

心なしかこのマスター室の温度が下がった気がする

これがSランク同士の睨み合い

「‥‥確かに、強くなる可能性があるだろうな

だが、ニオが死んでしまっては意味がない」

師匠‥俺のことをそんなに心配してくれるなんて‥

本当にこの人が師匠でよかった


「確かにその通りだ、まあ本当は行ってもらいたいが連れて行くか連れて行かないかはお前の自由でいい」

珍しくマスターが引き下がるとは、何か企んでる?

「そうだ、言い忘れていた

ニオも連れていけばその依頼内容以上の報酬を支払えるぞ」

「おい、ニオ!一緒に行くぞ!」

「師匠?」

「こうしちゃいられねぇ!今すぐ準備して行くぞ!」

そう言いながら師匠は走って宿屋に帰ってった

「ししょぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

前言撤回、あいつ俺のこと心配してねぇ!

後で覚えてろよ!!

「なんか、すまん‥嘘で言ってみたらまさか行くとは‥まあ、約束通り報酬以上に支払う」

と気まずそうに言うマスター

「‥まあ、今に始まったことじゃないですからね

あの師匠は」

頭を掻きながら俺は宿屋に向かい、洞窟探索の準備をするのだった

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