月の交点

@wataru0917

月の交点


真っ白な月の裏側この声は届くだろうか凍える君に


泣きそうな声で歌う人だったゆるせないことゆるさなくていい


遠ざかるばかりの面影 淡い月 君と並んで歩きたかった


夜の道 君が好きって言っていたあの花もうすぐ咲くんだろうな


くり返しよみがえるのは花束をくれた冷たいてのひらのこと


好きな色好きな音楽好きな味ぜんぶ残って君だけがいない


酸化した赤で書かれた手紙たち 君の足跡 途切れたきりの


足跡と欠片のすべて集めても『君』にならない、ならないんだよ


どの曲もどの歌詞でもなく君だけが君の声だけずっと響いて


明かりならいくらでもある街でいま探してるのは消えそうな月


窓の灯が無数にあって明るくてどれひとつさえ自分のじゃない


帰りたい家はだれかとつくるものぼくは君とがいいって願う


いつだって思い出すちがう忘れない胸の奥には君がいるんだ


ふり向いて走り出すのはいつからか君を探してさ迷う癖だ


伝えたい言葉は数えきれなくていつも涙の音符になった


小説の断片みたいな足跡を歌にするからこたえてほしい


約束は自分としたんだ叶うはずなくてもいいさ君だけを呼ぶ


離れても忘れていても何度でも君を呼ぶからふりむいてくれ


せめて手を、その手をにぎり返すから信じて欲しいただ一度でも


繊月がかたむく頃に踏切で待ってる。いまでもまた会いたいよ

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