第6話入学おめでとうパーティー後編
自己紹介が終わり皆でご飯を寄そって食べ始める。
「裕二が作ったやつめっちゃおしゃれやん!味も凄く美味いやんけ!」
美沙が物凄く褒めてくる。作ったかいがあったなって思った。
「サーモンのカルパッチョを作ろうとしたんだけど、一口サイズにしてみれば食べやすいのかなと思ってやってみたんだだけど良かった。」
皆で食べながら雑談で盛り上がっている
「ねぇねぇ、みんな部活何に入る?」
沙奈がみんなに質問をした。
「部活かぁ。何に入りたいとか聞いてなかったな。何に入ろう…」
裕二が何に入るか迷っている。事前情報があまりないため、何にするかまだ何に所属するか決められない。
「軽音やってみたいよね〜。皆で楽器弾いて、文化祭とか近くのまつりで弾いてみたいよね〜!」
「僕もやってみたいなぁ。」
「みーちゃんが言ってるのは分かるけど、ここの店の手伝いあるからもし仮に作って入部したとしても、俺はほぼ顔だせないよ?」
「それなら安心してだせぇ!」
「わぁぁ!びっくりしたぁ!」
資材を取りに来たハルが話に入ってきた。
「あぁすんません。話に割り込んで申し訳ないっすけど、店なら大丈夫っすよ。時期によっちゃぁしんどい時もありますけど、その前にはバイトの募集もかけてますし、なんとかなりそうですぜ。」
「だそうだ。どうする?」
美沙が裕二に問う。
「分かった。入部するよ。」
「よし、決まり!」
しかし、問題がある。もし軽音部が無くて作れたとしても、顧問がいなければ作るにも作れない。
「もし作れたとして、みんな楽器弾けるの?俺とみーちゃんはある程度は練習してたから弾けるけど…」
「当たり前やん!うちら3人は中学3年の文化祭でクラスの人と即席のバンド組んで演奏したんやから。」
「僕も一応ピアノやってて、賞取ったりしてたよ。」
どうやら皆引けるらしい。美沙がドラムで幸貴がキーボード、美乃里と沙奈がギターとの事。そして裕二ががベースをやる事に。
「月曜日に聞いてみるか。」
そんな話をして、そろそろ終わりの時間に差し掛かった頃、美沙がふと気になった事を美乃里に聞いた。
「そうそう、美乃里さー、一人暮らしを始めたとか言ってたけど、もうどっか借りて生活してるの?」
裕二と美乃里がビクッとなった。
「う、うん。もう借りて一人…暮らししてる…よ?」
「なんかその反応怪しいぞ?」
美沙の感が働いたのか、臨戦態勢に入った。美乃里は嘘下手だからなぁ…すぐにバレそうだぞ?
「私もなんか怪しい気がする。」
「ちょ、沙奈まで!?」
「うん、だって凄く分かりやすいんだもん。凄く目が泳いでるからね〜。」
「僕は…みのりちゃんを信じるよ。」
幸貴以外全員疑ってる。やばいやばい、これはバレるぞ…
「まさか、パパ活とか変な事して生活して無いでしょうね?」
美沙が美乃里に問う。
「それは断じて無い!」
美乃里はそんな事をする人ではない。
「やっぱり美乃里ちゃんに限ってそれはないか。でもなんでそんなに頑なに言わないの?」
「どうしてって言われても…」
美乃里が裕二に助けてと言わんばかりの目線を送る。
(いやぁ…俺をみられても…)
「ゆうくん助けて…」
と裕二に助けを求める。これ以上隠すのに限界を感じている。
「なんでそこで裕二が出てくるのよ。」
「え?」
「もう全て話すしかないでしょ。こんなに問い詰めて来て、これ以上隠すことできないと思うよ?全部話そ。」
「で、でも…」
「まぁ、この3人に話しても大丈夫でしょ。遅かれ早かれ、この3人にはバレるかもしれなかったし。」
「分かった。」
「全て話すんだけど、話す前に少しだけ。今から話す内容は他人には絶対に話すことの無いように。いずれはバレて話さなければいけなくなるかもしれないけど、それまでは他言無用でお願い。」
今いる3人に、今同棲している事や何故そうなったのか、事の発端など全てを話した。
「まぁ、それで本人達が納得してるなら良いんじゃない?」
と美沙が言い、全員が納得してくれた。
ここで店の出入り口がガラガラと空いた。
「やってる?」
と日中に聞いたことのある声が聞こえた。この声はまさか…
「野口先生!?」
まさかの担任の野口先生が来たのだった。
「お前ら!まさかいたとはな。あれ、パーティーの邪魔だったか?」
「いえ、全然大丈夫っすよ?何なら食べていきません?」
美沙が先生を誘った。
「先生にも相談したい事もあったし、良いんじゃない?」
幸貴も美沙と同意見らしい。人数がいたほうが楽しいし。気さくな先生だから乗ってくれそうだ。
「お?良いのか?では言葉に甘えて入れさせてもらおうかな?」
野口先生も加えてパーティーを続ける事となった。
「ちょっと居酒屋行ってビールもらってくるわ。」
「良いよ。明日も早いし。」
「良いんですよ。息抜きも必要ですし。」
「私は皿とか準備するね。」
「じゃあお願い!」
ビールと必要な食器類を持ってきた。
「何だあいつら。もしかして付き合ってるのか???」
野口先生がニヤニヤしている。
「あいつらはカップルというより夫婦でっせ。」
と美沙が笑いながら言った。
「なに…?詳しく聞かせてもらおうか…」
「ちょっと美沙〜!!」
と美乃里が焦りながら言う。
「実はな~?…」
と軽く美乃里と裕二にあった出来事を美沙と沙奈、幸貴の3人が言う。
「ゆうくん助けて〜~〜~〜!!!」
ビールを持ってきた裕二に助けを求める。
「どうした?」
美乃里が恥ずかしそうにしながら顔を真っ赤にして、それ以外の人がニヤニヤとしてる。
「まさか、俺が少し居酒屋を手伝ってる間にさっき言ったこと全部バラしたの!?」
「いや、それは美乃里自身から言ったよ。中学時代にあったことを少し話ただけよ。」
「もうお嫁に行けない…」
と美乃里が真っ赤にした顔を両手で隠す。
「いや、旦那ならもういるだろ。隣に。」
とみんなで総ツッコミをした。このあと、先生を含めて色々食べながら雑談をし、ケーキを食べてパーティーを終わらせた。片付けはすぐに終わりそうだったので裕二と美乃里以外の人は帰宅した。
「お疲れさまっス。」
まだ閉店時間前なのに、ハルが入ってきた。
「あれ、あっちの方終わったん?まだ閉店まで時間あるけど。」
「看板にも書いてあったんスけど、今日は早めに閉店したんっすよ。明日、業者が来て機械のメンテナンスだったり掃除をしてもらうんですよ。なんで邪魔な物とかを片付ける事にしたんっスよ。」
と話しているとヤスが食堂の方に来た。
「あ、兄さん!うっす!」
「おお!ヤス〜!」
「さっきはあざした。お陰でかなり助かったっす。」
「良いってことよ!」
色々と美乃里とも一緒に雑談をしながら片付けをして店をあとにした。
「食ったぁ〜…かなりの量だったなぁ〜…」
「んね!私もお腹いっぱいだよ〜!」
「また皆で集まってなんかしたいね!」
「だなぁ。また今度機会があれば誘うか!」
こうして高校生活が本格的に高校生活がスタートしたのだった。
同棲生活、始めました。 鬼ケ原龍左衛門 @onigawara-ryuzaemon
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