「イルカ!うちの学校が、イルカにのっとられました!」SF科学部、ゆるいなー(w)

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 愛は、この専門学校の日常。SF科学部員に、新しい能力が生まれたらしいけど…

ラブコメのSF的な進化は、賢くて早い。

この、専門学校でも。

「動物ラブコメ能力が、使えるようになった!」

同級生で、SF科学部員の友だちが、陸上部員の彼女にかけよる。

「動物能力?良かったね」

聞かされて、あきれ気味。

「…ラブコメ?」

SFは、異常なほどに進んでいる。

「動物魔法が使えるようになると、未来への時間軸はどう変わり、何が起きるのか?」

そのSFが…?

「ラブコメ動物魔法です」

友だちは、にこやか。

「動物と、話ができる能力ということだよ」

「…それ?」

「でも、単に、動物とあいさつができるレベルのパワーじゃないから」

「ふうん」

「この能力、うらやましいでしょう?」

「はい、はい。うらやましいですよ」

「そう言ってもらえるとうれしいよ、陸上部員さん?」

「SF科学部は、進化しているね」

「どうも、ありがとう」

「…で?生まれたその能力で、何がどうなったの?」

「頭が人に近いっていわれているイルカと、仲良くなれた」

「やっぱり、そう」

「将来のこの学校のあり方を、共に語りあえた」

「へえ…。頭が、人に近い?」

「うん」

「イルカって、頭が人の形に似ていたんだね」

ちょっとした、いやみのつもりで言ってみた。

が、あえなく撃沈。

「ちがうよ、ちがう。形じゃなくて、頭の中が人に似て利口っていう意味だよ」

まさか、真面目に返してくるとは…。

「あんたの頭は、ダチョウ並」

「ちえっ」

言うなあ。

ダチョウと仲良くなってその能力を手に入れるって、どうなんだか。

足は早くなっても、知力は劇落ちっぽい。

さっき、友だちにも言われかけたとおり。

ダチョウの脳は、目玉くらいの大きさでしかないらしいし。

その力で、どうする?

ダチョウなら、こう言いそう。

「ボ、ボクはだれ?だれなんだろう?」

もう、そこからわかっていない。

やっぱり、頭が良くなったほうが良いよねぇ。

「あれ?そういえば、頭の良いイルカはどこにいったの?」

「さあ。うちの、SF科学部の部室?」

と、そのとき。

校内放送が入った。

「緊急ニュースです、緊急ニュースです!うちの学校が、頭の良すぎるイルカに、水泳部のプールごとのっとられました!」

放送部が、大あわて。

SF科学部が、大反省。

他の生徒たちが皆、大爆笑。







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