第7話 思てたんと違う卵
何とかかんとか孵卵器をでっち上げる事に成功し、後は玉の到着を待つだけとなった。
テスト?
そんな暇あるか!www
玉が届いた時は確か夜勤のシーケンスであったと記憶している。
すまない、よく覚えていないんだw(大天使感)
うp主は昨今における陸運業を取り巻く実情を鑑み、日夜懸命に働くドライバーさんへ配慮して宅配を「置き配」に設定している。
その日も残業で思う様働かせていただいた後、帰宅して泥の様に眠っていた。
玉はその間にひっそりと到着した模様。
うp主がそれを知ったのは起床した17時半の事であった。
起き抜けにアイポンを起動し、チェックしたメールで配達完了を確認。
着替えもそこそこに慌てて玄関に飛び出ると、戸の脇に打ち捨てられたかのように置かれていた。
メールによれば16時頃に到着したようだが、こんな雑に放置して大丈夫なのだろうか?
ピピピと検索してみると、「割と適当でもなんとかなるでw」との事。
具体的には、玉というのは基本、ひりだされてすぐには温められず、そのまま放置される事が多いそうだ。
これを貯卵という。
なぜそんな事をするかというと、ある程度玉が貯まってからまとめて温める事で孵化のタイミングを一定に保つ為なのだそうだ。
いちいち温めてたら別々にチックがまろびでて世話が大変になって邪魔くさい……という事らしい。
なかなかどうして、良くできたシステムである。
実際の孵卵場においても、半月程貯卵した後一斉に孵卵器へブチ込んで逝くようだ。
保管の際は大体20℃で湿度は50%前後……即ち、部屋の中位の環境に保つとあった。
要はほったらかしでも割と大丈夫で問題なく、寧ろちょっと寒い位で丁度いい感じらしい。
逆に夏場とかの方が悪くなりやすい様なので、偶然ではあるが、良い時期に注文したと言えよう。
この検索結果にうp主は一安心。
玉の入った箱を回収し、着替え洗顔給餌及びレディオ体操(勿論第二まで、うp主は平日に起床の際レディオ体操を日課としている)をゆっくり行った。
そうして気持ちを落ち着けた後、孵卵器の電源を投入してから開封してみると、中からボール紙製の卵パックが出てきた。
卵を運搬するのだから当然かと、一人頷きながらこれを開いてみると……。
注文通り、玉が6つ詰め込まれていた。
その大きさはスーパーで売ってるヤツの一番ちっこいヤツより更にちっこかった。
そしてなにより……汚かったw
何故か表面が茶色く汚れていたのである。
ンンッ……!
何か思てたんと違うな……!
手に取ってまじまじと観察する……こ、これはまさか……!
「なんじゃあこりゃあ!? クソまみれやないかぇ!」
思わず一人叫ぶ。
うっかり手に取った事を後悔するも、時既に時間切れ、アフターカーニバル。
さりとて、折角の貴重な玉を放り出して破損せしめる訳にもいかず。
ざわつく気持ちを落ち着け、何とか卵パックへ戻す事が出来た。
勿論慌てて手を洗ったのは言うまでもない。
先方はかなり気を利かせて生みたてを送ってくだすったようだが……。
ウ〇コをどうにかするまで気は回らなかったようだ。
しかしまた何でこんなに汚いのか?
疑問に思いピピピと検索してみるとその理由が判明した。
有精卵というものは水で洗うと死滅して唯の食材としての卵になってしまうそうだ。
洗浄するにしても専用の薬剤が必要であるらしい。
成る程、ならばクソまみれなのも致し方無い……のだろうか?
ンー、まぁ何でもいいですけれど!?(適当)
なんにせよ、そうやってどったんばったん大騒ぎしているうちに出勤の時間が迫ってきた。
慌てて玉を孵卵器の中へ投入、動作確認を行って問題ない事を確認。
薬用せっけんで手洗いしてから出勤したのであった。
うp主の思いつきでうっかり誕生してしまった烏骨鶏の飼育記録 波乗りとびー @hiraganaemon
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