27.『スミレさんの事件簿』(著:BISMARC)

<作品URL>https://kakuyomu.jp/works/16817330666629278432

【ジャンル】ミステリー 【完結済】9,476文字


 ミステリーですか! 大好物です♡

 あっ、いけない。よだれが(*´﹃`*)💦


 タイトルから想像すると、スミレさんという若い女性が事件を解決するミステリー? ……かと思いきや、彼女の正体は、結末でようやく明かされます。


 『バックマスキング』番外編。

 と、あらすじに書かれてあるので、本編を読まなくても分かるかな?と少し心配でしたが、ちゃんとスミレさんが登場人物を紹介してくださるので、ご安心を^^


 全体を通して、ほのぼのとした作風が魅力ですね。

 一番、驚いたのが、地の文が語り手の口調になっていることです。

 こういうの何て言うんでしたっけ?

 一人称だけど、登場人物たちを俯瞰で書いているのですよね。神視点でもないし。

 実は、私もこれと似たような書き方をしている作品が一つあります。


 『鏡台』(by.『気まぐれ☆アラカルト(ショートショート集)』)

https://kakuyomu.jp/works/16818023213843208279/episodes/16818023213843375498


 宣伝じゃありませんよw

 これは、鏡台を主人公にしたショートストーリです。


 つまり、人間以外の主人公の目線で物語を綴る手法です。

 これは、意外と書いていて面白いのです^^

 夏目漱石の『吾輩は猫である』が一番有名でしょう。

 ただ、ミステリーでこの書き方を取り入れている作品を私は、見たことがないかもしれないです。とても面白い試みだと思います。


 ただ、最初の語り(地の文)が出てきた時に、違和感を覚えました。

 なんでだろう……と考えて、おそらくですが、冒頭の書き出しが、語り手以外の会話文で始まっているからかもしれません。


 私の書いた『鏡台』もそうですし、夏目漱石の『吾輩は猫である』も(このような名作と並べるなんて恐縮ですが💦)、まず書き出しは、語り手の語りから始まっています。これは、こういう語り口調で始めますよ、と読者に印象づけるためです。

 結構インパクトもあると思います。

 ……いや、私の『鏡台』は、ちょっと並べない方が良かったかも( ˊᵕˋ ; )💦


 会話文が書き出しにあることで、読者は、次に普通の地の文が続くものと思い込んで読み進めていき「あれ? なんかおかしいぞ?」と違和感を覚えるのです。

 この違和感、狙って書かれているのでしたら、スルーしてください。

 ただ、個人的には、こういう人間以外を主人公にした作品は、まず、語り手の語りから書きだした方が、読者は違和感なく話に没入できるのではないかなと思います。

 ……あくまで私の感想ですよ💦

 私、文芸学科じゃありませんからね! 専門的なことは分かりません。

 生き物屋ですから! 一応、理系脳!!(笑)


 ミステリーの謎自体は、かわいい内容になっていて、いわゆる〝人が死なないミステリー〟ですね。

 確か前回ここで感想を書かせていただいたミステリー作品もそうだったかなと。

 人間同士のどろどろした争いや残虐な描写は、ちょっと……という方には、ミステリーの導入としておすすめです^^


 ミステリーと言えば、探偵役がいて、犯人がいて、探偵役が謎を解く!

 ……というイメージがあるかと思いますが、別に探偵役がいなくても、人が死ななくても、謎と答えがあれば、ミステリーと言えると思います。

 これは、語り出すと、ミステリーファンの方に炎上されてしまう恐れがあるので深くは掘り下げません(笑)。

 ミステリーは、許容範囲が広いんですよね。

 推理小説は、また違うと思います。読者が推理できるかどうか、という違いかなぁと勝手に思っていますが……話が逸れるので戻しましょう(笑)。


 こちらの作品は、人も死なないし、犯人らしい犯人もいないし、スミレさんは傍観したまま見たままを語るだけで謎解きもしないので、人によっては、ミステリーじゃない、と仰られる方もいるかもしれませんが、これは立派なミステリーだと私は思います^^

 

 私がこちらの作品で気になったのは、場面転換です。

 語り手が人間ではない所為か、今目の前に起きている現実がいつ起きていることなのかが分かりにくく、今の話なのか過去の話なのか……ちょっと混乱しました💦


 特に、第二話と第三話は、登場人物の状況が似通っているため、観察している対象が、土屋刑事から倉田刑事に変わっていることに戸惑いました。


 「やったー。やっと終わった……」


 という第三話の書き出しは、前話で書類を書いていた土屋さんの言葉かと思ったのです。でも、その次に「倉田刑事は」と説明が続いたため、これが誤字なのかどうかで迷いました💦

 ここは、冒頭に、何かしら場面転換の一文を入れてあげた方が読者は混乱しないと思います。「また別の日になって」とか、「翌日」とか……。

 前話から続けて読むと、違和感に気付けるかと思います^^


 それから、第三話の終わりから、第四話の冒頭にかけても、頭を捻りました。

 ここは、〝過去の話を語っている過去〟について語っているので、ややこしいのだと思います💦

 過去について語る今、としてはダメでしょうか?


 時系列を整理すると……

 ①まきば学園で事件が起きた。⇒倉田さんは新里さんに助けてもらった。

 ②仲竹署に異動になって暫くしたある日⇒倉田さんはスミレさんに①の過去を語る。

 ③今⇒倉田さんが「俺たちの家…なくなっちゃうらしいんすよね。」と言う。


 ……で、合っておりますでしょうか?💦


 ③から②へ時系列が移動して、そこから①の話をしようとしている、というのを私は、何度か読み直して、ようやく分かりました💦

 単純に①の話をしたいのであれば、③から①でよいのではないでしょうか?


「まきば園がなくなる」⇒「あそこは、俺と新里警部補が出会った思い出の場所なんだ……」とかなんとか言って、過去①の話を始めても正直、違和感がないです💦

 作中では、「あの時は」「あの時は」と何度も語りが入るため、逆に混乱してしまいます。

 会話文だけをつなげて読むと、同じ時間軸で喋っていても違和感なく話が通じるかと思いますので、一度、第三話と第四話をつなげて読んでみると良いと思います^^


 最後に、ネタバレになって申し訳ありませんが、スミレは、数年で寿命を迎える花です。なので、「ヌシ」とするからには、何かもっと長寿の植物か生き物を持ってきた方が良かったんじゃないかなぁと。

 例えば、カメで〝亀山さん〟、とか、キクで〝喜久子さん〟とか、サボテンで〝テンちゃん〟とか?💦

 スミレは、コンクリートの隙間から生えるような強い雑草なので、鉢植えにするというのも何となくしっくりこないような……確かに、意外性があると言えば意外性はありますね。まさか、タイトルの名前そのままの花を正体にはしないだろうという……穿った見方をする輩には有効だと思いますb(✧Д✧)✨

 私は、最初、警察のマスコットキャラクター〝スミレさん〟を想像しておりましたから(笑)


 すみません💦 あくまで一意見ですので、私の考えが及ばない作者様の深い意図がありましたら、コメントで教えて頂けると助かります!(。>ㅅ<。)


 こちらの作品へレビューを書かせて頂けるなら、キャッチコピーは……


『刑事課のヌシは語る! 人の死なないミステリー☆』


 こちらで、いかがでしょうか?


 レビューにアドバイスのような内容は書きませんので、ご安心ください。


 もし、ご不快に思わせてしまったら、大変申し訳ありません💦

 コメントにて、この感想へのご感想を頂けると幸いです(*ᴗˬᴗ)

 参加を取り下げる場合は、「削除希望」とだけコメント頂ければ、こちらの感想は非公開とさせて頂きます。

 宜しくお願い致します。



以上

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