28.『浮世黒蝶みをつくし』(著:市枝蒔次)
<作品URL>https://kakuyomu.jp/works/16818023212035915580
【ジャンル】異世界ファンタジー 【連載中】134,736文字
※長編のため、「十 香が導きし行く末」までを読んだ感想です。
実は、こちらの作品、企画を立てる以前に、途中まで読んでおりました。
とてもオリジナリティのある設定と謎の多い作品でして、和風ファンタジーが好きな方には、はまると思います^^
文章が綺麗で世界観をイメージしやすく、ほの暗い耽美な印象を受けました。
『
主人公の氷雨は、「千と〇尋の神隠し」に登場するハクのようなイメージ✨
『月下』として働く彼には、何やら暗い過去がありそうで……。
私、短歌から始まる書き出しを、初めて読んだかもしれません。
「早瀬川 水脈みをさかのぼる 鵜飼舟うかいぶね まづこの世にも いかが苦しき」
「早瀬川」という川は、岩手県に実在する川の名前ですね。
今までオリジナルの短歌かと思っておりましたが、調べてみたら、崇徳上皇の歌でした。知らんかった……( ºωº )
短歌は詳しくないのですが、どうやら鵜飼についての短歌のようです。
〝早瀬川の水脈をさかのぼる鵜飼い船は、今行う殺生の報いを受ける来世での苦しさはもちろんのこと、まずはこの世でもどれほど苦しいことだろう〟
……という意味のようですね。
つまり、この作品の内容は、殺生の報いを受けて苦しむ……そんなシリアス展開を予感させてくれます。
さすがに著作権の心配はしていませんw
これが現代を舞台にしたフィクションなら、この短歌を使うのはありだと思います。ただ、ジャンルが「異世界ファンタジー」とあるので、出来ればオリジナルの短歌で似たような意味の歌を出して欲しかったなぁ~というのが個人的な感想です💦
何故なら、実在する川の名前や「鵜飼」というワードを出していることで、読者は確実に現代をイメージすると思うからです( ˊᵕˋ ; )💦
短歌を知らない私のような素人が読むと、「鵜飼」のイメージがまず先行します。
でもそこは、あえてイメージして欲しいから、ということなのかしら?
『浮橋様』のことを暗喩しているのかもしれませんね。
部屋の壁一面を覆う布と、甘い香り……この冒頭シーン、私は、頭の中に鮮やかな映像が浮かんできて好きです。描写力が素晴らしいのだと思います^^
ただ、謎ワードが多いので、何が何やら分からない状況から始まります。
「手招き
ここで世界観に没入できれば続きを読んでもらえると思いますが、ついていけなくてブラバしちゃう人もいるかもしれませんね💦
次話とのPVに差がないようでしたら、こちらの意見は無視してください。
一~十までの話を読んでいくと、少しずつ謎のヴェールが取り払われて、物語の全貌が見えてくるような書き方になっています。
実は私、この作品を読んで初めて、こういう書き方があることを知りました。
それまでは、まず読者に物語の基盤となる情報を提示してあげて、そこから物語が動いていく、という流れが頭にあったので、この手法は、かなり新鮮でした。
もしかしたら、何かの紙の本で読んでいるのかもしれませんが、あまり意識したことがなかったですね(;^ω^)
おそらくですが……世界観も登場人物も謎だらけだから、そう感じたのかなぁと。
①世界観は、どこかで見たことがあるような設定で、その上に登場人物たちの謎が少しずつ明らかになっていくタイプの物語と、
②世界観が曖昧で、登場人物の出自は明確に分かっていて、世界観の謎を少しずつ明らかにしていくタイプの物語。
③世界観も登場人物も明確で、何らかの事件が起きることで話が動くタイプの物語。
この①②③のいずれかのパターンしか読んだことがなかったからかもしれません。
(※あくまで私の場合です💦
これ以外のパターンに含まれる作品も、あるかもしれませんので、あしからず
(;^ω^))
例えば、『千と〇尋の神隠し』、これは②のパターンだと思います。
千が出会うキャラクターたちの謎は、もちろんありますが、主人公である千の出自は、はっきり冒頭に描かれているので、読者は物語に感情移入できます。
①は、ミステリーや現代ドラマなんかでよくあるかなぁ。現代か、それに近い舞台で、登場人物たちの過去を少しずつ解き明かしていく……『紅〇豚』とか?
なぜ彼は豚なのか、全く分からないまま物語が始まりますが、物語に没入できるのは、世界観が現代社会(一昔前だけど💦)だからじゃないかしら。
③は、言わずもがなですね。
ですが、こちらの作品は、このいずれにも当てはまらないかなぁと(;'∀')
舞台となる『
あー……主人公の氷雨に感情移入できないからかなぁ?(゜-゜)
だからと言って、この作品は世界観が美しいので、是非一人称ではなく三人称で書いて欲しいし……難しいところですね💦
この書き方、WEB小説としては、かなり危ういのではないかなぁと感じております。興味を持って先を読んでもらえれば良し、でも、よく分かんない、となって離脱、という可能性は多いにある気がします。……違っていたらごめんなさい💦
そうは言っても、この少しずつ不鮮明な物語の輪郭がわかってゆく感覚というのは、読んでいてとても心地よかったので、是非皆さまにも読んで頂きたいです^^
あとは、やはりキャッチコピーですね。
タイトルが短くて内容分からない系なので、キャッチコピーでは、内容を伝えてあげた方が良いかもしれません。
(現行)『人は皆、蝶を抱へて生くるもの。浮世は儚し、されど美し。』
これはこれで綺麗なフレーズなのですが💦
(改善案)『人の悪夢を蝶として食らう🦋ほの暗い和風ファンタジー』
……とか。 例えばですよ💦
なぜなら、これまでの感想でも何度か書いておりますが、キャッチコピーこそ読者が真っ先に目にする作品への呼び水となるからです。
あまり抽象的な表現は、避けた方が良いかもしれません(;^ω^)
以下は、誤字報告になります。
▼「序 黒蝶の夜へと手を招く」
「一杯に吸い込むと、」
⇒「いっぱいに」かな?
こちらの作品へレビューを書かせて頂けるなら、キャッチコピーは……
『美しい情景描写に、謎と耽美な世界観があなたを異世界へと誘います。』
こちらで、いかがでしょうか?
レビューにアドバイスのような内容は書きませんので、ご安心ください。
もし、ご不快に思わせてしまったら、大変申し訳ありません💦
コメントにて、この感想へのご感想を頂けると幸いです(*ᴗˬᴗ)
参加を取り下げる場合は、「削除希望」とだけコメント頂ければ、こちらの感想は非公開とさせて頂きます。
宜しくお願い致します。
以上。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます