11.『樹法師タネの桜散る天地創造』(著:星太)

<作品URL>https://kakuyomu.jp/works/16818023214222766328

【ジャンル】異世界ファンタジー 【連載中】54,526文字

【セルフレイティング】残酷描写有り


 ※長編のため、序章の第4話までを読んだ感想になります。


 しっかりした世界観をお持ちの和風ファンタジーですね。

 独自の樹法という、魔法のような能力が個性的で、この作品の魅力の一つとなっています。

 灰に覆われたモノクロの世界で、主人公のタネが灰を花に変えて、世界を旅して回る……という主題も、切なさと幸福とが混じり合っていて魅力的です。

 文章もしっかりされているし、プロットを書いていらっしゃるとのことで、伏線もあり、安心して読み進めていけます。

 ストーリー展開も少年漫画風な王道展開で、安定感のある作品ですね。


 キャラクターとしては、主人公のお母さんである巴が断トツで光っています。

 私の中では、『王様ランキング』というアニメ(原作は漫画ですが)に登場する主人公ボッチのお母さん(巨人)みたいなイメージです(ご存知ない方すみません💦)。豪快でおおらかで、みんなに頼られ慕われる明るい感じの人ですね。


 次に印象に残るキャラクターは、残花でしょう。タネと一緒に旅することになる、恋のお相手?です。なかなかにイケメンで、頼りがいのある年上男性です。

 女性読者が惹かれる魅力は、持っていると思います^^


 タネの友人である根助ごんすけも、なかなか癖のある喋り方をする食欲モンスターなキャラクター。

 方言なのかな?と思ったのですが、その割には、タネは普通にしゃべっているので、職業格差的なものが存在するのかもしれません(百姓特有の喋り方とか)。

 ただ、長く一緒に過ごしている相手なら、口調が移ってしまいそうなものなので、キャラクターの個性を高めるために癖のある口調キャラを作る場合は、周囲との落差を気にした方が良いかもしれませんね💦


 彼らのキャラクターが個性的な分、主人公タネのキャラクター性が少し薄く感じてしまいます。元気いっぱいな女の子、というのは王道で鉄板ではありますが、口調に癖をつけるとか、何か特徴のある性格を付与してあげないと、回りのキャラクターに負けてしまうかも💦


 最近のブルーノベル?と言われるライト文芸では、主人公のキャラクター性が薄い方が好まれるようですが、こういった少年漫画風の主人公は、周囲に負けない強い個性を持っている方が、読者は、応援したくなると思います^^


 そして、一番この話の中で理解が難しかったのが、樹法です!

 第一話で、タネが幾つもの樹法を使って読者に説明してくれているのですが、いかんせん私の理解力がなく(´;ω;`)

 何度も読み込み、ようやく、木に対して気力を注ぐことで、木の特徴を生かしたもの、かつ+αの物質へ変化させることができる能力、と理解致しました。

 だから、ただの木片を大薙刀へ変化させたり、燃えて黒くなった御神木を復活させることができたのかな?と。

 私の理解、合っておりますでしょうか?💦


 筆者様は、独自の設定である樹法について、地の文での説明を一切行わず、キャラクターの言動だけで伝えようとしていらっしゃるのです。いやぁ、素晴らしい✨


 これ、かなり高度なことをされていらっしゃいます。


 独自のファンタジー設定を地の文で説明してしまうのは簡単です。

 ですが、それだと話のスピードが落ちるし、物語への没入感が失われ、読者は退屈してしまうでしょう。


 ただ、この独自のルールを読者に正しく理解させる、伝えるという技術は、とても難しいです。その設定やルールが複雑であればあるほど、間違って伝わる可能性もありますし、理解できなくて離脱される読者もいるかもしれません。


 筆者様は、とても頭のよい方なのだと思います。

 ただ、私のような頭の弱い人間には、ちょっと負担が大きいかもしれません💦

 地の文での説明を省いている分、読者が読み取らなければいけない割合が多くなりすぎているようにも感じられます。

 登場人物の会話で少し補足説明を入れて頂くというのは、難しいでしょうか?

 例えば、タネの力を見て感心する根助に対して、簡単に樹法の仕組みについてタネが解説する……とか。 

 私が一番頭を悩ませたのは、一話の前半では木片の姿を変えているのに、後半で焦げた御神木を復活させている、この差です。

 ここで、理解が追いつかなくなりました💦

 よくよく考えて、ようやく木という性質を持つものなら、姿を変えられるのか、と結論に至りました。……え、みんな分かる? 私だけ?💦

 頭の中で、変化させる対象が木片だったものが、大きな御神木に変わってしまったから、イメージで「=」とできなくなったのかもしれません。。


 「樹法は、木の持つ性質を生かして、術者のイメージしたものを新しく生み出す素敵な力なんだよ。それが木片でも、小枝でも、葉っぱ一枚からだって、作れちゃうんだから。まぁ、持ち運びしやすいから木片を使ってるんだけど……」


 とか何とか、タネが樹法について熱く語るシーンがあっても、

 罰は当たらないかも~(;^ω^)💦


 それから、作中で意味深なフレーズとなっている「桜は必ず散る」というワード。

 もしネタバレになっていたら大変申し訳ないのですが、おそらく残花の死を予言しているのではないかなと……残花は、実は、一度死んで生き返った、世界を灰にした原因だったりして……違っていたらすみません💦

 ただ、ここで少し気になったのが、桜以外の花も、必ず散りますよね( ºωº )

 あえて「桜」としたのは、やはり、残花を示したかったからなのだと推測されますが、勘のいい読者なら分かってしまうと思うので、もし敢えて、「花は必ず散る」程度に濁しておいた方が良いのじゃないかなぁ~と、お節介なことを思いました(笑)。

 ……あ、ここのネタバレ感想、削除した方が良ければ仰ってください!

 この作品の要になりそうなネタバレですので💦


 作品の完成度が高いので、結構、むちゃなレベルを要求している気がします。

 もし、ご不快に思わせてしまったら、すみません!

 とてもレベルの高い作品ですので、そこは保証致します。


 あと、一話が7,000文字を超えているので、ちょっと長いかもしれません。

 灰人が出たあたりのところで二話に分ければ、次への引きも良いので、読者もついてきてくれる……はず!

 WEB小説で読者に次ページを読ませるためには、話の切りが良いところで分けるよりも、気になる終わり方のほうが、きっとPVは増えると思いますよ^^


 ……実は、こちらの作品。

 、客観的に見るのが難しかったです。。

 何故かというと、私が今、連載中の『宇宙樹の生贄~アムルと不思議な竜~』という作品も、こちらの作品とちょっと似通っている部分があり、とても他様の作品を読んでいる気がしなかったからです💦

 樹にまつわるオリジナル設定の世界観を持つファンタジーで、旅の登場人物も、タネと根助、残花という三人組と似た立ち位置のキャラクターが登場します。この御神木という設定も、うちの『宇宙樹の生贄』に出てくる神樹やら聖樹に当たる存在のようですし……世界を救おうとする目的も同じです。

 もちろん、世界観や設定は、全然違いますよ💦 そもそも、うちの作品は西洋ファンタジーですが、こちらの作品は、和風ファンタジーですしね。

 ただ、まるで自分の作品を見つめ直せ、と暗示されている気がして、粛々しながらこれを書いています(笑)。

 いやぁ~……とても、いい勉強をさせていただきました。


 こちらの作品へレビューを書かせて頂けるなら、キャッチコピーは……


『花咲かす姫、イケメン侍と旅にでる。珠玉の和風ファンタジー🌸』


 こちらで、いかがでしょうか?


 レビューにアドバイスのような内容は書きませんので、ご安心ください。


 もし、ご不快に思わせてしまったら、大変申し訳ありません💦

 コメントにて、この感想へのご感想を頂けると幸いです(*ᴗˬᴗ)

 参加を取り下げる場合は、「削除希望」とだけコメント頂ければ、こちらの感想は非公開とさせて頂きます。

 宜しくお願い致します。



以上

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