第2話

「悠人!起きなさい!お友達が来てるわよ!早く支度して‼︎」

あれから1日たった。目覚まし時計が全く効かない俺に唯一効果がある母親のもう叫び声に近い大声を聞いて俺は起床した。俺は母さんがいなくなったらどうやって起きればいいのか、、 ほんとうに母様様である。

ん?今なんて言ってた?お友達が来てる?俺には友と呼べる存在が誰一人としていない男だぞ…なんか自分で言ってて悲しくなってきた。

とりあえず俺は急いで支度して玄関を出る。

俺がドアを閉めると俺には存在しないはずの友達なるものが少し怒ったような口調で第一声を発した。

「遅かったじゃないか。恋人であるこの僕を待たせるとはどういう了見だい?」

そこにいたのは、学校一イケメンな女で昨日俺に告白をしてきた東雲彩月が立っていた。

「なんでお前が俺の家にいるんだよ!っていうか恋人だって?その話は昨日断ったじゃないか‼︎」

「そりゃ色々調べたからだよ。僕にできないことはないからね(ドヤッ」

「俺が一番聞きたいのはそっちじゃねぇよ!お前からの告白は昨日断ったはずだろ?」

「言っただろう?君に拒否権はないって」

「それおまっ、どういう意味だよ」

「どういう意味ってそのままの意味だよ」

「なんで俺には拒否権がないんだよ」

「愚問だね。僕が君より上だからさ」

「何をもってして上なんだよ…そういえばなんで家に来たんだよ」

そういうと東雲はバカを見るような目で俺を見ながら言った

「言わないとわからないのかい?はぁ、しょうがないな。君と一緒に学校に行くためだよ」

「は?意味わかんねぇよ。」

「?なぜだい?恋人になったなら一緒に登校するのがセオリーだろ?」

「今はまぁ恋人になったって話は置いといてやる。だがなドがつく陰キャである俺と馬鹿みたいにスペックが高いお前が一緒に登校していったらどうなる?」

「まぁ嫌でも注目を浴びるだろうね」

「だろ?俺は人から注目されるのが超苦手なんだ。実際それで子役やめたんだし…」

「ん?最後の方なんて言ったんだい?」

「なんでもねぇよ。まぁとにもかくにも俺はお前と一緒に登校なんてごめんだぞ。お前もあらぬ噂を立てられたくなかったら着いてくんなよ」

「あらぬ噂?なんのことだい?そもそも僕らは付き合っているんだし、問題ナッシングだろ」

「問題大有りだよ。まじでそういう噂がたったら俺が物理的に殺されちまう。」

「もういいから行くぞ。このまま話してたら遅刻するぞ」

「わっもうこんな時間か。チッしょうがねぇ行くぞ」

「その言葉を待っていたよ」

こうして俺たちは学校に向かって早めに歩き始めた。間に合うかなぁ…

俺の家から学校までの道にはほとんど全校生徒が使う大通りがあるのだがそこに学校の制服を着た人はほとんどいなかった。

道中で俺は気になっていたことを東雲に尋ねてみた。

「そういえばお前の家ってどこなの?」

「それって遠回しの告白かい?」

「んなわけねぇだろ!これから毎日家に来るならどんくらい遠いのかぐらい把握しておかないとと思って」

「なんだ、やっと両思いになれたかなと思ったのに…僕の家かい?まぁ君の家まで歩いたら1時間弱といったくらいだね」

「まじか。なんでそんなとこからうちの学校通ってんだよ」

「ひ・み・つだよ。まぁでも確かに理由はあるよ。教えないけど」

「なんでだよ。俺たちって一応こっ、恋人ってやつなんだろ?」

「うっ、そう言われてしまうと痛いね。でも、これは話せないよ」

「うーん。じゃあヒントをくれ」

「それくらいなら。それじゃあ最初で最後の大大大ヒントだよ。

僕は君のことてきとうに選んだわけじゃない。ちゃんと理由があるんだ。」

「それってどういう…「はいヒント終わりっ!急ぐよ」おいちょっとまっ…」

そんなこんなで俺たちは学校に向かっていった。


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超絶陰キャの俺に王子様系女子のカノジョができた話。 ハルちゃそ @HAPPY2009

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