第5話

「よし、窓ある」


美希は目の前の窓を見ながら言う。


(にしてもどうしよう…ここ4階だから飛び降りたら死ぬかなー? ゲームならコンティニューできるけど、ゲームの世界にいるってだけで死んだら終わりそうだしなー)


美希は窓から体を乗り出して外の様子を確認する。


(うわー…警備の人いる…まあ、こっちのほうがゲームっぽくていいか。飛び降りるのは何とかするとして服だな…ローブとかあればいいのに…)


そんな事を考えながら、なんとなく近くにあったタンスを漁ってみる。

タンスの中にはドレスやローブもあった。


(よしっ! ローブげっと!!)


美希は早速ローブを着て少し足踏みする。


(これなら大丈夫。あとは窓問題か…というかゲームの世界だしこれくらいの高さなら平気かな? ステータス的にもなんかいけそう…防御力600だし…)


そう考えたあと、美希は窓を乗り越え、飛び降りた。

あっという間に地面に到着、無事だった。


(えーと…HPが少し減ったのか…まあいいや、とりあえず一番近い森まで行って魔法の練習してみよ)


美希は記憶の中で最も城から近い森を目指し、走り出した。しばらく走って城壁を見つける。

大きくそびえ立っている。


「ここくらいなら飛び越えられるかな」


そう言うと美希は大きく飛んで城壁を越えた。

また走っていく。




森に着くと、美希は早速中へ入って魔法の使い方を思い出した。

すると、いきなり角の生えた兎が飛び出してきた。

美希は無言で目を閉じ、火の魔法を兎に当てた。


「よし、できた。魔法は魔力とイメージで誰でも使えるってゲーム内の先生が言ってたな。次は回復魔法試すか…女王のためだしね。使えて損はないし…」


美希はそう言って怪我をしたものを探した。

しばらく探すと、倒れている鹿を見つけた。

足をけがして、首のあたりに矢が刺さっている。ぐったりした状態だった。


「治るイメージ……」


美希は鹿の矢を抜きながらつぶやくと鹿のまわりが金色に光りだした。

しばらく光って光が消えたころ、鹿の傷は完全に癒えていた。


「よし、成功! 次に転移魔法。使わない予定だったけど城の中の移動で便利そうだし、試しに自分の部屋にとんでみよー」


美希はそう言いながらさらっと城へ転移した。


(よし、成功。次は女王の回復かな、頑張ろう!)






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

読んでいただき、ありがとうございます。

次回の投稿は7月6日 21時00分です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

毎週 土曜日 21:00 予定は変更される可能性があります

Q.大好きなRPGゲームの世界に召喚されて喜んでいたらメインキャラクターたちの恋愛感情が全て演技だと知ってしまったのですがどうするべきですか? かとれあ39 @katorea39

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ