番外編① サービス終了
「……」
推定300メートルの塔の頂上で、プラチナ一式の
彼の名は『荒谷亮太』。現実では今年でアラフォーになる、会社勤めのサラリーマンである。
「あの夕陽が沈めば、このゲーム【アポカリプス・オンライン】のサービス終了の合図か」
【アポカリプス・オンライン】
20XX年に開発。プレイヤーがあらゆる種族の冒険者となり、強大なモンスターを討伐・
彼は、制限時間以内にお互いの作成した
その彼は、仲間達と共に、原点にして頂点の
「皆、
亮太は寂しそうな表情で呟いた後、怒りの表情で『バンッ!!』と思いっきり壁を叩いた。
「一体何のためにこのダンジョンを制覇したと思っているんだ!! 皆であの夕陽を眺めようと約束したのに!! そんなに現実が大事かよ……それとも両親も愛する人も居ない俺への当てつけかよ、クソがっ!!」
【アポカリプス・オンライン】のサービス開始から終了まで、ずっと共に行動していた仲間達が、この夢のような世界を簡単に捨てたことに、亮一は腹を立てたが……
「……いや、努力で大切なものを手に入れたあいつ等を、何の努力もしなかった俺が責める権利は無いな」
自分達の帰りを待つ友人・愛人・妻・息子・娘・両親を持つ彼等を激昂する自分に嫌気が差し、黙り込む。
「……確か、小学5年生の頃に両親を事故で亡くしてからだったかな。俺が不幸な人生を送るようになったのは」
亮太は、自身のこれまでの人生を追懐した。
「中学・高校・大学じゃ、文化祭・運動会などの大事な時期に《最悪のタイミングで病気を患って》》、友達作りや思い出作りも出来なかったな」
そうしている内に、太陽がもう直ぐそこまで沈みかけていて、亮一はそろそろかと諦観する。
(次は
亮太は受け入れるように目を瞑った瞬間、意識がプツンと途切れた。
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とあるアパートの一室。一人の男が布団の上で仰向けに寝転がり、死んだように眠っていた。そしてそれを謎の黒い影が直立し、何かを確認するように、彼を凝視していた。
するとその謎の黒い影が宙に浮かぶ小型の立方体に面して一言呟いた。
「対象……『荒谷亮太』の死亡を確認。これより魂を回収し、現場に帰還します」
プログラマン (旧タイトル)異世界にクラス転移されたら、最初から勝ち組で最強だった 月海月 @tsukikurage7012
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