第2回短歌・俳句コンテスト【俳句二十句部門】~二本松藩士らに捧ぐ~

篠川翠

二本松藩士らに捧ぐ

菜の花や旅人たびとの足を照らしをる


昔日せきじつの子らも摘みけむ紫雲英れんげそう


かたかごや俯向く顔の愛しけり


桑の実に口元染むるわらべかな


雲海に浮かぶ箕輪みのわや今もなほ


朝涼み静寂しじま破れり時鳥ほととぎす


先陣を取りつ取られつ法師蝉ほうしぜみ


男衆おとこしの声猛々たけだけし秋祭り


安達太良あだたら仮寝かりね覚ますや添水そうず


戦場いくさばつまを映すや秋の水


益荒男ますらお御霊みたま抱けり銀杏黄葉いちょうもみじ


冬桜鈍色垣にびいろがきに光添ゆ


わらぐつに宿りし君の神様よ


しばれたる空の化粧けわい幡祭はたまつ


幽谷ゆうこく勢子せこら息詰む鳥叫び


鴛鴦えんおうや独りごちたる池のほと


猩々しょうじょうの袴着けたる古城こじょうかな


義士たちのきづな深むる二輪草


散りたるもむすひ伝えむ山桜


安達野あだちの数多あまたの種よひこばえよ





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