第2話

翌朝。


重く鈍く沈んでいく体と、歯車が壊れたかのように高速で回転する思考。


「なにか、生産的なことをしなければ」


そんな義務感にとらわれ身体を起こそうとするけれど、寝返りをうつだけで吐き気が込み上げる。


携帯の光が眩しすぎることをわかった上で、ホームを開けるのはあなたからのラインに期待してるから。


「俺は、そんなこと思ったことない。」

「大好きだよ。」


嬉しさと罪悪感が同時に込み上げる。


数秒後には、嬉しさは罪悪感に飲み込まれ真っ黒な波が胸を覆った。


『ありがとう』


精一杯の返信をして、バイトの時間まで息苦しい布団の中に逃げた。

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