もう怖くない

うっかり

もう怖くない

天井の高き図書館麦の秋


本棚に団扇挟んでありにけり


七分早い壁掛け時計薄暑光


夏痩や蛍光灯の外しあり


占いに八位とありぬアイスティー


郭公や五十年後の綴紐


契約書によだれの染みを寝冷かな


鳥の音や梅雨晴のExcelを閉ず


でで虫よ角な出しそと突っつきぬ


ざり蟹にまず陽動の右手かな


水馬は頭が良いに違いない


巻尺に押さえる役や捩花


現金を白百合越しにやりとりす


飛行機のお腹間近き青田道


畳より広き昼寝の始まりぬ


呼び鈴を二度鳴らされていて裸


珈琲ゼリー膝の上に両拳あり


腰痛や角尖りたる冷奴


夏灯あの父がもう怖くない


これ以上短くできぬ髪洗う

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もう怖くない うっかり @ukkari575

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