第2話

俺の何だかんだの駄々っ子訴えは軽く無視されたまま、話はどんどん進んでます。乗り合いの定期便は簡単に止められない・・この場のままですが何か?


今後の予定

⑴ 手当たり次第ゴブリンを討伐して、最低限の身体能力を確保する事

⑴ ゴブリン討伐近隣にて、食虫植物から能力を吸い上げる事 最低レベル3

⑴ 指示先の盗賊アジトの強襲 数人の捕縛必須 馬車確保

⑴ 盗賊アジトにて、廃棄マジック袋全て吸収 余裕があれば財宝を確保

⑴ 王都に捕縛した盗賊の移送 ドサクサ紛れで入場

⑴ 冒険者ギルドにて予備冒険者に登録 年齢不足は上手く対処

⑴ 王都にて勇者パレートへ強襲 記憶消失を完全敢行

⑴ 冒険者ギルドから小悪魔の情報を得る 能力を吸収して移動方法を得る


「・・中にさらっと難度最強の指令があるんだけど・・これってどうなの?」

「いやいや、お気楽ミッションじゃないか。無理くり作りの馬車の上に勇者が乗ってるから、そいつの記憶を消すだけだから。後はそのまま放置しとくだけで、数日でお亡くなりしちゃうから。人間なんてただの哺乳類だから、食べないといけない記憶が無いんだよ?保育が必須とか解んないし。そんな風にひょろっとね。浮かれ捲りのパレードの傍からひょろっとしよう。」

「いや?まあ?出来るって言うならヤレるんだろうげど、勇者?・・だよね?」

「そんな勇者。地産地消のこの世界の勇者だね。あの手この手を使いまくって、好き勝手にレベルを上げたのはまだ許せる。でもね、魔王討伐の最後に優秀な相棒達を死地に押し出し潰したんだ。そして全てを奪いその栄誉を盾に、近隣の国々に姫を嫁がせろと強要した。未来は暗黒じゃないかな?下らない事ばかり考えてる。」


「・・それが勇者でいいの?」

「勇者に成れる条件を難しくして置くと成れないから、神聖魔法が使えて指定の高レベルに成る必要がある。それでダンジョンから聖剣を取得すれば勇者の称号が得られる。そんな感じかな。」

「神聖魔法なんてあるのか・・。」

「サクッと勇者を処理しちゃえば、その神聖魔法も獲得しちゃうから。」

「あ、ああ悪魔の囁きが・・。何か凄い効果の魔法なのか?」

「えっ?坊主びっくりな感じ?悪魔にアンデットや幽霊?お祓いに頑張れるよ」

「・・いらない」

「魔は祓いましょうの設定だからしょうがないよね。魔っ!魔っ!魔っ!」

「神を祓いたい。」

「魔っあ~~~~!!・・うん。あの勇者のせいで魔に落ちるとこだったわ。堕天はしないけど落選は得意なんでね。」

「神罰的なやつでサクッとするのはダメなの?」

「フフフ、神の力ほど証拠として残り易いから。こんな事くらいで変な横やりはされたくないんだ。私にも抗えない上司はいるからね?」

「疑問にすんな。まあ俺の誕生案件だから遣るけど。それと必要悪以外で処分する奴は、こっちで勝手に決めていいの?」

「ああそうだね・・纏めて脳にバーンしちゃうとほんとにバンしちゃうから、こっちでだいたいは解る・・分析の表示が赤く成った奴等は上手い遣りかたで処理して欲しい。」

「たっ、頼みます。バン怖い。」

「そのついでだけど、例の勇者の取り巻きの騎士団も増長する一方なわけ。こいつらも一緒に・・ね。イベはここまでで括りかな?これを済ませるとかなり余裕になって、だらだらとレベル上げついでに隣国へ渡って欲しい。その国も不幸のしわ寄せに成りそうだから、ちょっとした人命救助だね。それのタイミングや詳細はその時に知らせるから。」


次から次へと・・隣国ねえ。そっちはウエストりー王国って所だな。最初の国がレッサリー王国だったから、レッサーの上かな?(笑)あっちもこっちもリーリー言ってんだけど。キィーキィーだったらハンターで決まったのに。えっ?全滅番組?出演者がそうかもね。キィー!


「そこのテブラ君、武器や装備はいいのかな?」

「最低限ノーブラにして下さい・・ってか、俺の顔が可笑しくない?目がデカいよ。」

「趣味が少女漫画なものだから、そんな顔のイメージしか湧かなくてねえ。ちょっと年上思考のベルバラな感じ?それ歳食ってて無理なの。」

「ロリ拗れちゃってない?暗殺者がロリなのはどうよ?」

「暗殺案件じゃないから問題なし。ああ認識阻害の化粧品を渡しておくね」

「幼女に化粧させるんじゃねえ。俺が幼女なんだけど」

「装飾が超華美な剣の鞘も上げるよ」

「・・いやちょっと!大事なのは中身の剣じゃないの?」

「いやいやレジェンド級の鞘でしょ。どんな剣もこの鞘に納めれば一日も掛からずに新品に元通り。凄いよね?凄くない?帯剣しとくだけだから、まったく目立たないもの。狙われたりしないよ、内緒は必須だけど。それと認識阻害効果が絶大のマント、誰だか解らないじゃなく記憶に残らないそんな感じの。それ、新しく買ったの?毎回聞かれるのはオプションだけど。」

「いらない。そんなオプションは鬱陶しいだけじゃねえか。初めて会った人にも言われるんでしょ?」

「オウム機能はバレるか。」

「おっへよう!朝から晩までなそれか?ほんといらない。ああ、下着は不壊などで」

「不快?」

「そっちの不快じゃねえよ。穿いてる先から不快に感じてどうすんだよ。汚れも破れもなしで。」

「それはそこそこにしとくよ。何日同じパンツを穿いてんのよって言われたい?」

「・・そこそこでいいです。マジック袋攻略は優先事項だな。目指せ!毎日の穿き替え。」

「パンツで旗振りするのはカッコ悪いよ。ロリ顔で凄い違和感が・・男の娘?」

「・・男、男性?野郎ならもっと良い。・・う?裸マントじゃないよね。」

「白のブラウス・・嘘だよ!嘘だから殴らないで。いやいや男物のまともな服があっちの世界に無いからさ。ちょっとぶかぶかの裸ワイシャツに見える奴しか無くてね。」

「どんな世界だよ。裸付けすんな。それならブラウスの襟を取ってよ。」

「可愛くな・・そうだね。痛いよりまし・・ボートネックとかないからベストでも付ければいいか。上着は動きを阻害するからなしで。ズボンは乗馬用のがあるな。ハイソックスかパンスト」

「ハイソックスでいい。パンストは有るんかい!」

「ストッキングみたいなナイロン生地じゃないげど、お尻はカバーしているね。それにほら乗馬用だから、その鞍にあわないと擦れが酷いとかね。鐙なんかも発明されてないからね。お尻は注意してちょうだい。」

「ん?クッションとか無かったりする?御者をするんだよね?」

「ないから毛布や毛皮で何とかする方向で。スライムからゼリーが取れるから、盗賊の財宝に革袋が多種多数あるので上手く利用すればいい。そこで一部の食品に一定期間の状態維持魔法が掛かってるからそれも吸収して使ってね。」

「ほうほう、状態維持か・・それを上手く使えば交易が?俺が忙しいのはダメだな。別の知識チートで不労収入とかしちゃえそう。」

「そこは国交がグチャグチャですぐに国が没収しに動くから、処分対象外の奴らまで対応する事に成るよ。忙殺・・当てはまりそうだね」

「なしで。いやいや、拒否ってばっかりじゃねえか俺。世界がまともじゃなさ過ぎるんだけど」

「魔法がある世界だよ、とてもまともじゃないでしょ。それぞれのそんな神の箱庭を見たけど、兎に角魔法で誤魔化す・・なんとかしちゃう所ばかりだったね。ご近所で巻き込まれ死亡が多発するから、責任感が笑い話の範疇なんだ。行けば直ぐに実感出来るよ」

「知りたくない何かを背をわすなよ。なるべく知り合わないが決定事項に成ったな」


これは現地民との交流は潰えたな。ん?言語は大丈夫なの?訛るの俺ちゃんが?言語が不自由な時って関西弁に成ったりするよね。せやんけわれ!


「ぜなぜなからニャニャまでお好き言語が只今大セールちゅ」

「特に期待しなかったけど、もっとも欲しくないオプショナルだわ。気張らない識字で反映してくれ。そうでないと出生の再設定から遣り直しになるから。」

「基礎言語や貨幣統一は、チキチキ世界創世の入門編に採用されてたよ。それはデフォルトに戻すでいけるから問題なし。便利な神・・便器と紙と似てるね。」

「顔が胡散臭く見えるから辞めなさい。デフォルトじゃない奴が凄く気に成る・・後悔するな絶対。時間は成り行きだな」

「詳細設定は現地任せだね。日の出から日暮れで終日もそのまま。固定の時間を統一しちゃうと、日照時間の少ない時に働けなくなるからね。特殊な四季が想定されてないから、何処でもお日様が真上に来る変な仕様です。」

「・・日当たりで家賃の格差があったり、いつでも日照権を確信しているんだな。それって時計の概念が作れないよね?」

「羅針盤も作れてない。」

「方位磁石とは何ぞや?」

「磁石も認識されてないよ。ヒノデとヒガシが似てるでしょ?ニシもキタもそんないい感じに使われたんだよ。言ったもん勝ちかな?北風よ吹け!北は決まるね」

「あんたやん・・作り主」

「まあ今更何も出来ないから、優先事項をしとこう。まず死なない為に能力上げと食物の摂取をしないとね。能力は説明済みだから、森の中を彷徨う」

「それ迷ってんじゃん。飲み込まれてんじゃん」

「冒険中」

「なってねー、生き残りに足掻いてる時期じゃん」

「食べなきゃ死ぬの。気色悪い虫とか食べたくないなら、果実や木の実の確保は最優先でしてね。とくに熟成している果実はその場で食べないと、持ち運び途中に潰れまくるからね。そうなれば虫やら何やらが群がって収拾もつかなくなるよ。」

「絶対にヤバいよそれ。」


おおぅっと悪寒が。あれだ蓑虫みたいな自分の格好を想像しちゃったけど、周りのそれがもぞもぞと動めいている。いやいや、纏わりついてるとかそんないい感じじゃない。

獲物を食らってるあの感じ?見かけた事があるんだよ。落ちてる食べ物に群がっている虫達を。気付いたら蛆が沸いていたゴミ箱を見てしまった時は、そっと蓋をして見なかった事にしたんだ。

そのうち、ハエに成って何処かに行ったよ。さよなら

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帰葬使ゴブイムの世界戒心 飛友翔(ヒヨイ) @hiyoi

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