蛇足 あとがきに代えて。
カタカタ……。
(タイピングの音)
「そして、……で微笑んだ」
「……わたしと、お付き合いしてもらえませんか?」
……さて、『投稿』っと。
ノートPCを閉じる。
あれから、俺はいくつかの資格をとり独立した。いまは、司法書士として事務所を構えている。
自分にも自信がつき、色々と前よりはマシになったと思う。
先輩とほのかは、ほのかの卒業後にアメリカで結婚した。先輩は「愛の伝道師の終焉」だとか言っていたが、それなりに幸せそうだ。
あおいは、あれから猛勉強して、まさかのまひると同じ大学に入った。今は女子大生ライフを漫喫しているようだ。なんだかうちの事務所に履歴書を送ってきたのだが……。深村先輩。不採用にしてもいいですか?
おれの方はというと。
(子供が走り回る音)
「パパー!!」
「ワンワン!!キャン!!」
あれから家族が2人増えた。
娘とワンコだ。
毎日賑やかだが、娘の方は、くれぐれも俺や先輩みたいな男にひっかからないように、貞操観念の英才教育をしなければと思っている。
最近、仕事も落ち着いてきて、新しい趣味ができた。
それは、小説の投稿だ。
いつかは異世界転生ものを書きたいのだが、まずは恋愛ものを書いてみた。まぁ、日記みたいな内容になってしまったが。
ありがたいことに、俺なんかが書いたものを、沢山の人が読んでくれている。本当にありがとう。
あっ、そうそう。
妻の紹介がまだだった。
妻はもちろん……。
子供を追いかけて元気に走り回っている、あの女性だ。
「なぎくーん。小説、最後まで書き終わった? いつも読んでくれて、本当に有難いよねー!! ありがとうーって気持ちでいっぱいだよ」
「ちょ、待てよ。真夜!! その呼び方、まなも真似して『ナギくん』って呼ぶからやめて欲しいんだけど……。それに、書いてるの俺だし」
まひる。
本当だったら再会できるはずがなかった俺と真夜を繋いでくれた存在。
泣いて、笑って、怒って、寄り添って。
どうしようもない俺に、たくさんの愛をくれて、支えてくれた。
彼女がいたから、いま、俺はこうしていられるのだと思う。
彼女は真夜の中にいて、2人は同じなのだけれど、時々、違っていたのではないかと思う時がある。
だから、これは、彼女を忘れないための備忘録なのだ。
(完)
お読みくださり、ありがとうございました!
ストーリー的には、最終話でおわっているのですが、こんなにも沢山の方に読んでいただけて。どうしても、ナギとまひるにも舞台挨拶をしてほしいと思い、このような構成にしてみました。
ほんとうにありがとうございました。
もし、面白かったと思っていただけたら、評価★★★やレビュー、コメント等をいただけると、嬉しいです。
では、また違う作品で、皆様とお会いできるのを楽しみにしています。
俺のセフレが幼なじみなんですが?【完結•一気読み可】 おもち @omochi1111
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