荒御魂(あらみたま)と和御魂(にぎみたま)
猫野 尻尾
第1話:薄紅 綺羅螺(うすべに きらら)
一話完結です。
いつから存在するのか
その橋の名前を「
一見普通の橋に見えるが、その橋は人間界と神々が住まう高天原を繋ぐ結界に
なっている。
そのことは一般の人には預かり知らぬことだった。
そして高天橋を渡った先の道沿いに古いお屋敷があって、その屋敷の当主の
名前を「
薄紅家の女性は名前がふたつあってひとつは「
もうひとつが「
そして薄紅家の長女「
入学してきた。
僕の名前は「
美しかった。
僕は一目彼女を見てその不思議な魅力に魅入られた。
だけど入学して半年経つけど僕は
見たことがなかった。
ただ遠くから彼女を見て僕は密かに彼女へも想いを膨らませていた。
でも僕は富裕層の薄紅家とは対照的に貧困層だから
機会すらないと思っていた。
ところがある日、
話があるから
「高天橋」のたもとで待ってるから来てくれって?。
え?いったい僕になんの用?
そリャ、僕は
だから
このまま
だけど無視したら、それはレディーに対してとても失礼なことだろう。
だから僕は学校からの帰り
橋の近くまで行くと橋のたもとでモデルみたいな
シュッとしたスレンダーなスタイルにモスグリーンの制服がよく似合っている。
認めていることだった。
だけど彼女の唯一の欠点は、笑わないこと。
「あの、
「さっそくだけど僕に用ってなに?」
「一ノ瀬君・・・私のわがままにお付き合いくださってありがとうございます」
「はあ・・・・」
「実は私、一ノ瀬さんにお願いがあるんです」
「僕にお願い?・・・僕だよ?・・・僕なんかに何をお願いしようっての?
「あの・・・よかったら私とお付き合い願えないかと思いまして」
「あの・・・ごめん・・・もう一回言ってくれる?」
「だから、よかったら私とお付き合いを・・・」
「・・・・・」
「まじで?・・・このシュチュエーションって本来逆だと思うんだけど」
「たとえば僕は薄紅さんに想いを告白するのなら分かるけど」
「え?・・・一ノ瀬さん、私に告白するつもりだったんですか?」
「あ〜いや、たとえばね・・・たとえば」
(でも、よりによってなんで僕?)
「あのさ・・・付き合ってって・・・僕なんかのどこがいいの?」
「だいいち君んちと僕んちじゃ貧富の差がありすぎて釣り合いが取れないでしょ」
「一ノ瀬君を選んだのは、あなたが私のタイプだからです」
「それ以外に何が必要でしょうか?」
「昔は身分の差だとか親の決めた相手だったり子供の頃からの許嫁だったり
そう言うしきたりが優先された時代もありましたけど今はそんな古めかしい
風習や制約はないでしょ?」
「今は恋愛自由でしょ・・・だったら自分が一番好きだって想う人と付き合う
のが最良だって思いませんか?」
「それは思うけど・・・」
「私じゃ不満でしょうか?・・・」
「いやいや不満だなんて思ってない、思ってないよ、絶対思わないし・・・」
「だったら私のお願い叶えていただけますか?一ノ瀬君」
「はあ、今だによく分かんないだけど、じゃ〜僕でよければ・・・」
「ありがとうございます」
「では、明日から、いえ今から私と一ノ瀬さんは恋人同士でいいでしょうか?」
「ああ〜どうかな〜恋人同士って言うには急ぎすぎてないかな」
「せめて友達からはじめて少しづつ気持ちを育んて行くって・・・どうかな?」
「はい、それでけっこうです、よろしくお願いします」
そう言って
僕は断ることもできず、
だから僕と
実は薄紅家は高天原の神の血を脈々と受け継いできた由緒ある神の末裔。
高天原には一柱の神様が相反するふたつの性格(霊力や神通力)を有する神がいた。
そのふたつの性格の神を
されていた。
そして理太郎本人は知らないが彼もまた
末裔。
だから当然、
綺羅螺の告白によって同じ能力を持った神の末裔のふたりの関係がはじまった。
おそらく理太郎と綺羅螺の結びつきは悠久の昔から定まっていたものだろう。
理太郎と綺羅螺はやがて人間界と神々が住まう高天原を繋ぐ橋「高天橋」を通って
ふたりの力を合わせて
おしまい。
荒御魂(あらみたま)と和御魂(にぎみたま) 猫野 尻尾 @amanotenshi
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