第3話
「ヘラ?」
こいつはファウス・エベライン。とある森で暮らしている肉食系男子。一見強気に見えそうだが内面はとんでもなく陰キャ!!それに厄介なのが妄想と現実の境界線が曖昧で、ヒロインは過去に結婚されていた事になったイベントが存在する程に!!
全キャラの中でこいつが群を抜いてヤバい。
てかなんでファウスがここに居る訳?!
「ヘラ、まだ体調が悪いのか?早く治せよ」
なんだこの態度は。幼い故の態度のデカさなのか?
「そう簡単に体調は治せないのですよ」
「へぇー…」
まぁ取り敢えずこれでお引き取り願おう…
「なんかヘラ、変わった?」
「え?」
「前まで俺から散々逃げてた癖に、今は大人みたいになってんじゃん」
このガキめ鋭いな。
「気のせいですよ。おほほほほ」
「ま、いいや。じゃーな」
なんだったんだ…
まぁいいや。今は少し疲れたから寝かせて…
翌日
いい朝ね〜!昨日はほんと疲れたわ…
でも今日はやりたい事があるのよねー。そう、それは魔法の習得である!
ヒロインと違い、ヘラは魔力に特化しているのよね。ヒロインは魔力と言うより武術に特化している。
ヘラの魔力属性は水なんだよね〜。正直私水苦手なんだけどね…はは。
ま、取り敢えずやってみよう!
「お母様、私魔法学を学びたいのですが…」
「魔法学?いいわよ。それじゃあ教室を探してみるわね」
「ありがとうございます!」
ふう!これで魔法は学べる。いざとなった時頼れるのは己の力だけだからね。殺されるエンドしかないなら私はそれに抗うまで!
「ふふふふ……」
「あ!ヘラ!探しましたよ〜」
この声はゼウナ…。
「どうしましたかゼウナ様?」
「少し世間話をしませんか?」
ここはOKしないと更にめんどくさくなる奴…
「いいですよ。」
「では庭園にでも行きましょう」
「はい。」
歩きながら考える。もし、この攻略対象達を攻略出来なかったら…なんて。本当に私には殺されるエンド以外待っていないのかな…
「ヘラ、体調が優れませんか?」
「い、いえ大丈夫です」
いけない。今はゼウナを攻略しないと!
「ヘラは、僕の事どう思ってますか。面倒ですか?重たいですか?どうなんですか?」
話す事重たっ!?これ本当に子供?
「別になんとも思っていませんよ。」
「…そうですよね」
「ただ、青空がよく似合うな〜と思います」
「え?」
「だって、些細な事で簡単に壊れてしまう程綺麗な心をお持ちなんですもの」
「…ぇっ」
口を開けて固まるゼウナ。少し言い過ぎたか?なんて思うが別にそんな攻撃していないな、と思い心を持ち直す。
「ぷっはは!久しぶりに笑えた気がします。やっぱり、ヘラは凄いですね」
「そう?」
はっしまったタメ口を…
「そうですよ。今みたいにどうか固くならずに話しましょう。」
「いいの?」
「僕は気にしませんよ」
「ありがとう…?」
なんか心を開いてくれた…?気がするぞ。
せっかく悪役令嬢に転生したのにヒロインが最強すぎて笑うしかない 氷室哀 @rera2222
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。せっかく悪役令嬢に転生したのにヒロインが最強すぎて笑うしかないの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます