異世界転生を一度失敗して再チャレンジしたが欲望に負けた男の末路
グレンディ
欲望に敗れ、転生に失敗した男の末路
俺の名前は藤山大吾。ごく普通の高校生だ。暴走する車に跳ねられ、人生があっけなく終わるかと思ったが、気がつくと見知らぬ場所に立っていた。
その部屋は、金や銀で装飾された家具が並び、柔らかな光を放つランプが照らしている。ファンタジー世界のような雰囲気だ。
「ここが死後の世界なのか?」と、俺は辺りを見回した。
すると、彫刻が施された扉が開き、一人の女性が入ってきた。
「あんたが今回の転生者ね、私は女神テティス。力を授けるから魔王を倒してきてくれないかしら?」
テティスと名乗る女神は、透き通るような白い肌に、透明感のある金髪、
なんといっても胸がでかい。俺は一瞬で彼女に釘付けになった。
テティスは俺に近づき、力を授けようとしたが、急に動きを止めた。
「あんた、ひょろがり過ぎて力に耐えられないって、残念ね。」
目の前が急に暗くなり、気がつくと俺は自分のベッドにいた。
家族の心配をよそに次こそティティスの力を授かるんだと決意し、ジムで猛特訓を始めた。それから1年後、鍛え上げた体で再び暴走車に飛び込んだ。
再び目を覚ますと、あのファンタジー世界のような部屋に立っていた。床には魔法陣が描かれ、そこから召喚されたようだ。
「えっ、また来たの?残念だけど、魔王は他の転生者が倒しちゃったわよ。」
その言葉に俺はがっくりと肩を落とした。
「まあ、せっかくだから力は授けるわよ。見た感じ今度は大丈夫でしょ。」
魅惑のボディが俺に近づく。彼女が力を授けようとした瞬間、無意識に俺の手は彼女の胸に伸びていた。
欲望に負けたのだ。テティスは一瞬、呆然としたがエルボーで俺を吹きとばす。
彼女の背後から発せられた無数の光の矢が俺を貫く。部屋に轟音が響き渡る。
「何の音ですの、お姉さま?」
テティスに雰囲気が似た女性が部屋に入ってくる。
「あら、リリス。ちょっと痴れ者の転生者を消しただけよ。」
「転生者?跡形もないじゃない。次は静かにやってね。」
「気を付けるわ。それより、テラスでお茶しない?気分転換したいわ」
「いいですわね、行きましょう」
テティスとリリスは部屋から出て行った。
これが欲望に負けた男の末路である。
異世界転生を一度失敗して再チャレンジしたが欲望に負けた男の末路 グレンディ @artaiueo
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