父親に捨てられた(と思い込んでいる)、養女に行った先でいじめられて不遇な扱いを受けているヒロインのローリエ。
売られそうになった時助けてくれたのは、勇者であり第三王子であるヒーローのクレイユ。
クレイユはローリエを見てこの子は自分の初恋の女性だと言い出すが、ローリエには彼と会った記憶がないので、最初は読者の私も何言ってんだこいつ??と思ったんですけど、これが壮大な愛の物語につながっていきます。ごめんねクレイユ、お前いいやつだよ……。
クレイユの海よりも深い愛はどろどろの黒い感情を内包していて、これがまたすごくいいんです。ヒーローはヒロインに執着するくらいがちょうどいいのです。なんていったって、溺愛ものですから! 結構終盤まですれ違いが続きますが、クレイユの愛は一ミリたりともぶれません。ハラハラドキドキするシーンもありつつも、ローリエは幸せな花嫁となるのです……。