俳句のような。

御願崎冷夏

第1話 いたみを抱える男の俳句10句

真白帆にきみのことのは弾け往く舟


ワンピース揺らぐつま先ほのあかに染め


きみといる凪の波間をとじ込めたかった


白日夢押し込めた傷ありありと膿む


跳ね起きて現の景色に胸撫でおろす


過ぎされどいたみは腹に坐ったまんま


ああやっぱりかまだあのひととてをつなぐきみ


言えなかった本当は今を生きるための嘘


波音しずかなみだにとまる七星天道


掌で永遠となれあの日のぬくもり



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俳句のような。 御願崎冷夏 @uganzaki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画