言葉が足りず

一の八

言葉が足りず



「結婚願望は…ありますか?」

女の問いかけに当惑していた。


結婚…

誰かと共に生活する事か

自分にとっては、それほどまでに関わりあるのではないと感じていた。


言葉を間違えれば、必要ないものとさえ思えてしまっていた。


「あっそうだね。今は、分からないかな。」


言葉を濁した。


自分がどうありたいのかさえ分からないのに

今、そんな重大な決断を下すことさえできないと感じたからだ。


「あっ…そうなんですね。…」



「みんな、嘘つきだから」

彼女が残した言葉が今も心のどこかに取り残されていた。

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言葉が足りず 一の八 @hanbag

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