お祭りに紛れていた怪しい店主、怪しい大当たり、怪しいスーパーボール……。そして、誰もが一度は目にしたことがある出目金らしき姿……。子どもの頃の、どことなく蒸し暑い、湿った思い出のホラーです。『魚』を探してくださってありがとうございました。ありがとうございました。
スーパーボールすくいで掬えた奇妙な、赤黒い模様が渦巻く透明のボール。主人公はふとした拍子に、その中身を知ることになりますが……。怪異は時に理不尽に、こちら側に干渉してくる。主人公が掬ったのは、本当にスーパーボールだったのでしょうか。幼い頃に見た気味の悪い夢のような、日常の中で異界を覗き見てしまったような、ジワジワとくるホラーが素敵でした。ぜひ、読んでみてください!