第3話 特個体

「もう能力を授かるんですか?」

「ああ。いまじゃよ」

「今!?心の準備がちょっとできてないんですけど」

「そんなのワシに言われても困るのう。」

「わかりましたよ。特殊能力、どんとこい!」

「よい覚悟じゃ先に言っておくが、もしかしたら能力が渡った際に脳にちょっとしたダメージが入るかもしれんが、了承しておいてくれ」

「え、そういうのもうちょい先に……「ほれ、手を貸すがよい。」

「……はい。」

そういって俺はその鬼神の手を握った。その瞬間だった。」

「グッ…がぁ‼」

「やはりかの。耐えるしかない。」

「ちょっと、鬼神さま!ダイジョブなの⁉」

「人によるわ。覚悟があっても、適応できるかはほぼ運じゃて。」

「だい、じょうぶだ。……死ぬかと思いましたよ。」

途中から痛みで声が出なかった。……まてまて、ここでも痛みって感じるのか?

というか運?もしかしたら俺……考えただけでもぞっとする。やめよう。

「大丈夫?優さん。」

「たぶん…大丈夫。」

「ほっほっほ。やりよるのう、若造。」

「素晴らしい。これならば、我らの力もすべて受け継ぐことができるかもしれません。」

「やるじゃねえかお前!今度俺と一戦やらねえか?」

「こりゃ、あまり彼を困らせるんじゃない。それより、おぬし。いたみはひいたか?」

「はい、大丈夫ですけど……どちら様ですか?」

「鬼神じゃ。」

「鬼神です。」

「鬼神だ!」

「多いわ!」

はっ!思わず突っ込んでしまった。

「おぬしもそう思うじゃろう?わしも鬼神は一人でよいと思うんじゃよ。だが、それぞれ特性が違うからこうなってるんじゃ。仕方あるまい。」

「そうですか。」

「にしても…予想外にもほどがあるのう。」

「そうじゃな。これは逸材。努力次第では、神をも超えるかもしれん。」

「あ、あの、誰が誰かわからないんですけど……」

「おっと、説明しておらんかったのう。とりあえず、お前らは帰っとくれんかの?」

「わかったぜ、爺さん。でもその前に、ほらよっと。」

「⁉」

「おぬしは勝手じゃのう。この子の脳みそがもたんぞ?」

「大丈夫じゃ。さっきから能力を付与しているが平然としておる。化け物か。」

「まあ良い。」

「えっ、僕何されてるんですか?」

「簡単に言うと、鬼にされてるのう。」

「……鬼の能力を渡されてるんではなく?」

「鬼にされてるのう。」

「…これは僕現世では生きられないのでは?」

「そうじゃのう。鬼化は発現しようと思えばできる。おそらく大丈夫じゃろう。」

「そ、そうですか。」

これは本当に大丈夫なのだろうか…















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鬼人 くろこんぶ @shirakonbu

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