第15話 またまた目立った明日香君
GWも無事?終わり、また学校が始まった。
「明日香、明日から考査ウィークだね」
「そうだな。高校に入っての初めての考査だ。頑張らないとな」
「明日から、毎日放課後は私の家で勉強会しよう。土日は明日香の家にしようか」
「そうだな、それがいい」
教室でお昼を食べながら話をしているとクラスの女子が
「譲原さん、私もその勉強会に入れないかな?」
「「私も」」
「ちょっと、それは出来ないよ。自宅でやるし」
「えーっ、じゃあ、図書室でやろうよ。それなら出来るでしょ」
「俺は、レイラと二人でやるから」
「「「そんなぁ」」」
うーん、この前の事もあるしなあ。でも明日香の国語は良くなったとはいえ、まだ見てあげないといけないから、やっぱりこの子達と一緒にするのは無理かな。
「ごめん、私も明日香と同じ気持ちだから」
「わかった。じゃあ期末の時は一緒にやろう。毎日でなくてもいいからさ」
「考えておく」
-中々、防御が固いわね。
-まだ、三年間あるわ。
-そうね。
聞こえる様に言っているのか、いないのか分からないけど、明日香の成長次第では出来るかもしれないな。
それから毎日、放課後は私の家で中間考査対策をした。期末で無いからこの科目数で済んでいるけど、期末はこうはいかないだろうな。
明日香と長く一緒にやっているから分かるけど、やはり中学三年辺りから急に成績が良くなり始めている。
今も一緒に勉強しているけど、理科と数学では質問が出なくなった。国語と社会で意味が取れない所があってそこは聞いて来るけど。
英語だけは関係ない様だ。英コミは気にならないらしいが、論理とか表現に不思議がっている所がある。やっぱり受験英語と実用との差が出ているのだろうか?
金曜までの放課後勉強が終わり、土日は明日香の家で勉強した。ジェシカも試験シーズンらしく、明日香の家に遊びには来なかった。
そして迎えた翌週火曜から金曜までの中間考査。迷う様な問題はなかったけど、全部に自信がある訳ではない。考査中は私の家で翌日の考査科目を勉強した。
なんとか中間考査も無事に過ぎ、翌火曜日は成績が発表された。昇降口で履き替えて中央階段横の掲示板に学年毎に上位四十名が張り出されている。何と明日香の名前が有った。
「明日香、やったじゃない。三十五位とはいえ、立派よ」
「ああ、俺もこれに載るとは思っても見なかったよ。なんか自信がついた感じだな。でもレイラは二十位。流石俺の先生だ」
「ふふふっ、まあね」
-うーん、あの二人の間の距離感はどう見ても友達じゃないよね。
―私もそう思うけど。でもねぇ。恋人とも違うな。
-あっ、世に言う友達以上恋人未満って奴。
―だったら、不味いじゃない。あと一歩踏み込めば…。
-作戦練らないと。
そんな事を小耳にはさみながら教室に行くとクラス委員長の毛利君が
「カーライル、凄いじゃないか。感心したよ」
「毛利は五位じゃないか。感心される程じゃないよ」
「いや、言葉の壁があると思っていたんだ。でもあの成績じゃあ全然ないな」
「ああ、レイラのお陰だ」
「そうか、俺もそういう人が欲しいよ」
「「「「えっ!」」」
-聞いた。
-うん。毛利君、恋人募集中なんだ。
-という事は今はフリー。
-難易度が高いカーライル君より…。
-そだね。
女子の心変わりの早い事。なんて事ない。高校に入ったから恋人欲しいってとこなんだ。
「譲原さん」
いきなり百瀬さんが声を掛けて来た。
「なに?」
「ねえ、ゴニョゴニョ」
「えっ?」
「し、している訳ないじゃないですか」
「あはは、顔が赤くなった。純真だなぁ」
「レイラ、どうした?」
「何でもない。後で」
「そうか」
レイラ、何聞かれたんだ。
そんな話をしていると担任の小早川先生が入って来て、出席を取った後
「来週金曜日は体育祭があります。今日午後のLHRで体育委員と皆さんの参加種目を決めて下さい」
「「よし!」」
何故か一部の男子が気合を入れている。
お昼休みになり明日香と一緒にお昼を食べた。その後、明日香が
「レイラ、さっき百瀬さんから何聞かれたんだ?」
「後でね」
あんな事ここで言える訳ないじゃない。
「そうかぁ、そう言われると余計気なるな」
「カーライル君、教えてあげようか」
「百瀬さん、言わないで下さい」
「あら、どうして?いずれそうなるんでしょう」
「駄目です。ぜーったいに駄目です。言わないで下さいっ!」
「まあ、そこまで言うならね」
ふふっ、面白い。まあ私も経験ないけどね。
―――――
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