勇者の書
勇者の書
ヒカリは、無我夢中で走り出した。
この回帰だけは、何があっても諦めたくは無かった。
これ以上、私の都合で後回しになんてできない。
"あの人達"の事は好きになれないけど、今度は言いなりになんてなったりしない。
繰り返される回帰の中、今日まで沢山の絶望をこの身で感じて来た。
"勇者"である私は、全てを救おうとして失敗し続けた。
私は、"人間"であって"神"ではない。
この身一つでは、私の我儘な願いは到底叶えられないのだ。
最悪の未来は、起こさせたくない。
あの日見た景色を、世界を....."絶望"を。
"繰り返さないための回帰"なのだから。
ガラ(瓦礫が崩れる音)
ヒカリ「あった........。」
瓦礫に埋もれた1つの扉、その先に行こうと無我夢中で瓦礫を退かす。
手から赤いエフェクトが無数に増え、HPが減り続ける。
Debuff:切り傷、出血、疲労。
ヒカリ「はぁ.......はぁ........。」
大聖堂にある祈りの間、ヒカリは瓦礫を押しのけてドアをぶち破り、祈りの間の中へ入る。
(今頃、皆はどうしているだろうか?)
激しい地響きと、悲鳴の声を無視して、とある2つのアイテムを取り出す。
"聖杯"
"聖印の書"
ガラガラ(天井が崩れる音)
ドスン......ドスン(落下音)
祈りの間の天井が一部抜け落ちて、月明りが女神の像を照らす。
ヒカリ「私は―。」
午後:18:43。
この日、"初めて"このゲームで"勇者"が産まれた。
違う
ヒカリ「ヒカリ......ごめんね。もう迷わないから。」
心の何処かでは、諦めてたのだと思う。
この回帰は無理だって。
この回帰は次に活かすための回帰にすぎないんだって。
諦めたくないと言いながら......。
心の何処かで、傷つきたくない自分が躊躇した。
本気になんてなれなかった。
私がやり続ける事は、誰にも理解されることが無くて......。
私の必死な呼びかけも.......伝わる事なんてなくて。
そんな私の心を支えてくれていたのは、家族と友人で......。
繰り返される回帰の中、夢の中で何度も出てくる悪夢と共に.......。
お願い.....誰か........誰でもいいから私を助けてって..........。
そうやって言い訳を繰り返しながら今日までやって来た。
ヒカリ(?)「ごめんね......。ヒカリ、次は絶対に負けないから.........。」
フードを被った女性は、泣きながら友達の名前を叫ぶ。
ガタン(天秤が傾く音)
天から光の柱が私を包み、辺りを照らす。
System:勇者が誕生しました。
System:数々の苦難があなたを待ち受ける事でしょう。
System:その苦難を乗り越え、"悪しき者"を討伐してください。
???「な!?」
全員が光の柱に注目する。
「何が起きたんだ!?」
「敵の攻撃か!?」
「あの光はなんだ!?」
急いで竜人の元へ駆け寄った仮面の男は胸倉を勢いよく掴んで、質問する。
???「おい!あいつは!あの勇者、じゃなくてフード被ったやつ!」
ルー「んだよ!辞めろよクソが!」
胸倉を急に掴まれ、慌てて仮面野郎を突き飛ばす。
ルー「ゲホ....ゴホ.....てめぇ!」
???「応えろ!」
仮面をしていても分かるほどの威圧感を与えられ、ルーは後ずさりしてそれに応える。
ルー「んだよ、あいつは急にここをよろしくだとかお願いだとか言ってから、急に消えたんだよ。」
ルー「言っとくけど俺は何処に行ったかんて知らねぇからな!」
ルー「それよりあれは何なんだよ!」
と言って光の柱に指を指す。
???「勇者の.......勇者の誕生だよ。」
と言い仮面の男は、あの光の柱の方へ行こうとする。
ルー「ア?勇者だ?勇者はもうすでにいんだろが!」
と言うルーを無視し、進んで行く。
ルー「おい、ちょっと待てや!」
と言って腕を掴むと、仮面の男に睨まれ腕を離す。
ルー「どういうことか説明しろって......。(小声)」
小声で話す竜人を見た仮面の男は、簡潔にだけ応える。
???「君が何故勇者が既にいると思っているのかは、知らないけどね。」
???「あのフードは、俺がここへ来た時には、まだ英雄の段階で勇者ではなかったんだよ。」
???「これでいいか?」
と言われてそれに頷く。
ルー「け、けどよ!俺の知ってる.......っておい!聞けって。」
???「そっちのバカでかいやつは、お前に任せるぞ。俺は聞きに行かなければならない事があるのだから。」
と言って行ってしまった。
ルー「ッチ、どいつもこいつも勝手にどっか行きやがって......ろくな説明もねぇ。」
斧を敵の方に向けて、全員に聞こえるように攻撃の合図を送ろうとする。
ルー「な........。」
敵の表情を見て、ルーは一瞬だけ固まった。
不敵な笑みを浮かべ、光の柱をジッと見つめている。
ルー「お、おい!この気色わりぃ老人ぶっ飛ばすぞ!」
ルー「あの光の柱は味方のもんだ!何も気にするこたねぇ!」
と言って全員の意識を敵に向けさせる。
「そ、そうなのか!」
「いくぞ!」
ドン(衝撃音)
プレイヤー達は、次々にモンスターに攻撃を加えていき、モンスターのHPをみるみるうちに減らしていく。
それなのに、モンスターは何の反撃もする事なく、不敵な笑みを浮かべたまま依然として光の柱をジッと見つめている。
「おい!こいつ、動かねぇぞ!」
「いけるぞ!」
「このままHPを50%まで減らせ!」
「やったれ!」
そんなプレイヤー達が意気込んでいる中、ルーだけがこの違和感を感じていた。
ルー「んで攻撃してこねぇ......。」
光の柱が消えた瞬間、巨大な老人がプレイヤー達を見つめ動き出す。
「う、動いたぞ!」
「退避、退避!」
「おっほっほ.....今日は、感動的な場面に立ち会う事が出来ました。」
「こんなにも素晴らしい日は他にありません.....。」
(これでもう.....目的の大半は終了したはずです。)
「あとはもう.....暴れるだけですね。」
ギラっと老人の目が一瞬光った瞬間、白い袋がプレイヤー達を襲う。
巨大な老人が白い袋を持ったまま、横なぎに振り掃ったのだ。
ドドドドドド(地面が抉れる音)
砂煙を出し、辺り一面にエフェクトを散らばらせる。
[―は、モンスターにより死亡しました。]
[―は、モンスターにより死亡しました。]
[―は、モンスターにより死亡しました。]
[―は、モンスターにより死亡しました。]
[―は、モンスターにより死亡しました。]
[―は、モンスターにより死亡しました。]
[―は、モンスターにより死亡しました。]
[―は、モンスターにより死亡しました。]
あの一撃だけで8人が一瞬で死んだ。
「な.....なんなんだおまえ!」
「こ、こんなのありかよ!」
「ひっでぇことしやがる!」
「これって死にゲーか?」
「おい!俺の友達が死んだぞ!」
全員が混乱し、絶望するが色欲の歌で皆が落ち着きを取り戻し、再度攻撃の体制に入る。
「と、とりあえず。防御の魔法を近距離班に付けろ!」
「タンクの人とHPに自信がある人は、前線で攻撃を!」
「そうじゃない人は、アシストに回れ!」
「魔法攻撃は一旦辞めて取り敢えずアシストだ!」
「遠距離班は、目を攻撃しろ!」
ルー「んだよこれ.......。」
(俺はこの物語を知っているはずだ。)
(なのにこの今の現状はなんだ?)
(俺のせいか?)
(知らない......こんなクソみたいな事なんて俺は、知らねぇ.......。)
ルー「どけ!」
ルーはひたすらに走ってその場を離れた。
頼まれた事なんて関係はない。プレイヤーが犠牲になろうと関係はない。
俺が死ぬ事だけは、あってはいけない。
(俺は選ばれた人間だ.........。そのはずだ........。)
ひたすらに人込みを掻き分け、押しのけてあの老人からひたすらに離れる。
ルー「ッグ.....ハ.....どけ!てめぇら!」
瓦礫に躓きこけてしまってもそのまま走り続ける。
ルー「はぁ.........はぁ。」
真っ青な顔をした俺は、大聖堂を駆け抜けて外の広場まで逃げてくる。
ドン(衝撃音)
大聖堂の中では、恐ろしい地響きと共にプレイヤー達の悲鳴が聞こえてくる。
「何してんのよ......。」
後ろから声を掛けられて急いで振り返る。
ルー「見て分かんねぇのか.....逃げてんだよ!俺は死ぬわけにはいかねぇ。いかないんだ。」
流れ落ちてくる冷や汗と共に、衝撃音がした方を再度振り返る。
「皆、戦ってるのよ?」
ルー「うっせぇ!そっちこそさっさと退場したくせに!生意気言ってんじゃねぇぞ!」
ルーは女性の胸倉を掴んで、顔を歪ませたまま反論する。
「そうね......でもイラは頑張ったのよ!」
「あんたみたいに逃げ出したりなんてしてない!」
ルーに胸倉を掴まれたまま無抵抗なイラフィリスは、ジッとルーを見つめた後に大聖堂の方を見る。
「皆、頑張ってる。」
「貴方は?」
ルーは掴んだ胸倉を撫でおろし、うつむいた表情になる。
(頑張った........?)
(俺は選ばれた人間だ........頑張るとかそういうのじゃない。)
(知ってるんだ俺は、だからそれで無双して.......。)
(それで?)女性の声
(それでって.......?)
(貴方に他に何があるの?)女性の声
(だから俺は.....選ばれてて.......だってそうだろ?)
(このゲームの事についてなんだって知ってる。)
(この先の事だって.......本で読んだんだ。)
(でも.....それって嘘だったじゃない?)女性の声
(うるさい.....うるさい、うるさい..........。)
(都合が悪くなったらいっつもそれ.......。)呆れた声
(
ルー「ッハ.....ハァ......ッハ.......ハァ.......。」
過呼吸になったルーは、上手く息が吸えずにその場に倒れ込む。
(ほら、逃げなよ?)女性の声
(どうせおまえなんて何の役にも立たないんだから。)男性の声
(違う.....俺は.........。)
(俺は........。選ばれた人間なんだよ.......。)
涙を流したルーは、そのままログアウトのボタンまで指を動かし押そうとする。
涙で滲みよく文字が見えない。遠くで恐ろしい地響きと悲鳴が聞こえてくる。
(俺は.....何も変わってないのか?)
イラ「おんどりゃぁ!」
ルーがログアウトのボタンに触れようとした瞬間、思いっきり誰かに蹴り飛ばされて噴水の中まで飛ばされる。
イラ「頭冷やせやこの腐れ野郎が!」
イラ「俺の女に手ぇ出すなんざ1000年、いや1億年は早いわぼけぇ!」
目が覚めていたイラは、女性の胸倉を掴んでいたルーを見て、何とか立ち上がり蹴り飛ばす。
「ちょっとこのバカ!アホー!」
と言って拳を出したイラフィリスに、
イラ「ちょっと待て、今お前に殴られたら俺が死ぬ!」
イラ「それにてめぇを守ってやってたんだぞ!」
と言ってあたふたしながら、弁明する。
「あんたねぇ!ちょっとは空気読みなさいよ!」
と言って殴るのを辞めたイラフィリスは、ルーの方を指差す。
イラ「ア?」
と言ってルーの方を見てぎょっとする。噴水の水のせいで泣いていたかどうかは分からなかったが、今にも泣きそうな顔というか泣いているルーに困惑しあたふたする。
イラ「えっとそんなに痛かったか?」
と言うイラに、
「ドアホ!そうじゃないわよ!」
と言ってイラフィリスが、イラを殴ろうとしてさっきの言葉を思い出し躊躇して手を引っ込める。
「ほら、行きなさい!」
とイラフィリスに背中を押され、ルーの方にやって来て手を延ばす。
イラ「な、何があったか知らねぇけどよ.....女性に手ぇ出すもんじゃねぇぜ。」
頭を掻きながらも、自分の今の恥ずかしいセリフに顔をちょっと赤くさせ、ルーを噴水から引っ張り上げる。
バシャ(水しぶきの音)
ルー「俺は.......選ばれたんだ......。(小声)」
何かをぶつぶつ喋るルーに、イラは耳を澄ませてそれに応える。
イラ「選ばれたって言うのがどういう事か知らねぇけどよ。」
イラ「てめぇは、今の現状に満足で来てねぇんだろ?」
ルー「満足........。」
イラ「ちげぇのか?」
と言う言葉にルーは何も反論できない。
ルー「俺は.....頑張れない。」
イラ「ア?頑張れない奴なんていねぇだろ?」
イラ「それは、頑張ってない奴の自分を正当化するための言い訳だ。」
ルー「違う!俺は.......頑張って..........。」
それ以上の言葉が出てこない。
イラ「何があったか知らねぇけどよ。」
イラ「今、頑張れない自分に気付けたなら良かったじゃねぇか?」
その言葉にルーはイラを見つめる。
イラ「だってそうだろ?」
イラ「これからは、頑張る方法を探す事が出来るんだから。」
イラ「頑張れねぇ奴なんていねぇ。」
イラ「そいつは、頑張る方法を知らねぇだけだ。」
イラ「だけど、そいつが頑張っていない自分に気付けたなら。」
イラ「これからは、頑張って努力をする自分に気付く事が出来るって事だ。」
ルー「努力......。」
俯くルーにイラは再度応える。
イラ「努力が難しいのも分かるし、最初は上手くいかねぇかもしれねぇ。」
イラ「でも、それでいいじゃねぇか。」
イラ「今の自分を変える一歩を踏み出せたんだから。」
イラ「後悔のない生き方をしろ。」
イラ「俺は、後悔してばっかの人生だった。」
イラ「頑張れなかった俺は、家族の温かさを知らねぇままここまで育っちまった。」
イラ「頑張り方を俺が知ってたら、もっと家族を変えられたかもしれねぇ。」
イラ「俺は、頑張る俺を知る前に他のやつに助けられちまっただけだけどな。」
イラ「困ったら、助けて貰えばいい。」
イラ「お前の周りにもいんだろ?」
イラ「心配してくれるやつ。」
ルーは、母親の事を思い出す。
暴言を吐く俺を、いつまでも優しく見守ってきてくれた。
頑張れない俺を、いつまでも待っていてくれた。
部屋に閉じこもり、俺は選ばれた人間だって胡坐を掻いて今まで過ごしてきた。
前世でこの本を読んで....このゲームを知っている俺は、英雄だって思っていた。
ルー「俺は.....変われるかな?」
そう言うルーに、イラはそっぽを向きながら、
イラ「んだよ。不愛想で、言葉きつくて、顔も悪人面だがな、俺が変われたんだぞ?」
イラ「てめぇが変われねぇ理由がねぇじゃねぇか。」
と言う。その言葉を聞いてルーは涙を流す。
遠くでは、プレイヤー達の悲鳴と地響きが聞こえてくる。
イラ「んじゃ、俺はいくからよ。」
「ちょっと、あんた回復してないでしょ!」
イラ「んだよ、怒ってればHPも増えんだろ?」
走って行こうとするイラを見ながら、
ルー「君は、強いんだな。」
と言い、ハハっと笑うルーにイラは、おうっとだけ伝えてイラは大聖堂に走って行く。
ルー「ハハ.......。」
ルー「頑張る自分か........。」
立ち上がったルーは、メニューを消す。
ルー「言い訳ばっかしてたんだな.......。」
母親の泣いている顔を思い出す。
ルー「泣かせてばっかだったな.........。」
言い訳し続けてきた俺の人生は、今日この日からやっと一歩を踏み出せた。
頑張れない奴なんていない........。
頑張り方を知らないだけ......。
まさにその通りなのかも知れない。
これはただの自分を取り繕うための言い訳かもしれない。
過去は戻ってこない。自分がしてきたことは消えない。
俺は一度目の人生でその事を知っているはずだった。
でも気付かない振りをしてきた。
学校も行かないで部屋に閉じこもり、社会に出ないで世の中を罵倒して、自分を取り繕うために言い訳を繰り返してきた。
同じ過ちを繰り返してきた俺は、今まで何を学んできたのだろう。
この本が俺はとても好きだった。この本を読んで、主人公が何度も何度も回帰を繰り返し、葛藤しそれでも諦めず、立ち向かう話が好きだった。
俺は立ち向かえていたのだろうか?
いいや......過去の自分を振り返ってもそんな事は一瞬たりともなかっただろう。
ここは、現実で本ではない。
自分の不都合を本のせいにして、この世界で選ばれた人間だと勘違いして......。
もうこんな自分でいるのは、うんざりだ。
俺も立ち向かう時が来たんだ。
主人公がそうだったように、あの本がそうであったように。
(あんたなんかにやれんの?)女性の声
ルー「あぁやってやる!俺は......変わるんだ。」
(ほんとにぃ~?)女性の声
(無理でしょ。)男性の声
ルー「だからそれを証明するためにまずは、あいつに立ち向かうんだ。」
真っすぐ見つめる先は大聖堂の巨大な老人。
あいつをまずは、ぶっ潰す!
それから......家族に........母に.....父に.......謝罪する。
こっぱずかしいし、合わせる顔なんてねぇけど.......。
これからの未来がどうなってしまうのか知ってんけど........。
俺は変わったんだって証明して家族を安心させるんだ。
PlayerName:伝竜の覇者キングルー
種族:竜人
職業:魔斧士
Level:不明
Skill:多すぎるため詳細不明
称号:不明
PlayerName:(?)
種族:人
職業:勇者
Level:不明
Skill:多すぎるため詳細不明
称号:プレイヤー/回帰者/.../Pioneer(先駆者)/英雄/勇者
PlayerName:イラ
種族:人
職業:無職
Level:不明
Skill:.../憤怒(太陽の拳......)
称号:プレイヤー/憤怒/..../偉大な一撃
PlayerName:イラフィリス
種族:精霊
職業:支援
Level:不明
Skill:.../憤怒の権能
称号:憤怒の精霊
PlayerName:不明
種族:不明
職業:音楽家
Level:不明
Skill:.../色欲
称号:プレイヤー/色欲/......
PlayerName:不明
種族:精霊
職業:支援
Level:不明
Skill:.../色欲の権能
称号:色欲の精霊
PlayerName:???
種族:人
職業:仮面の剣士(?)
Level:不明
Skill:多すぎるため詳細不明
称号:プレイヤー/...../不明
<ネタバレにならない程度でサクッと解説コーナー!!!>
「本日もサクッと解説をやっていきます。」
「あらら、どうやらルーさんは、転生者だったようですね。」
「いやぁこれで少しだけ納得がいきました。」
「どうしてこれほどまでに先々の話まで知っていたのか......。」
「ただ、本に書いてあっただけあって、正確な時間や内容はあまり分からなかったようですね......。」
「だから勇者が女性であることも知らなかったり.....。」
「大祭の時にヴィギルアが攻められる時間帯を正確には知らなかったり........。」
「勇者が既に存在していると思っていたり..........。」
「それに.......ルーさんが読んだ本とは、全く違う内容の物語が進んでしまっているようです。」
「それともルーさんは完結するまでは読み切れていなかったのでしょうか?」
「まぁ.....それでも大丈夫です。まだまだ挽回は可能です。」
「目的の一部も達成しましたし、後は大勢のプレイヤーが死んでくれることを願うだけ。」
「おっと.....失礼。今のは聞かなかったことにして下さい。」
「それでは、本日のサクッと解説はこれで終了とします。」
「いろんな質問やコメントをお待ちしております。」
「いつでも、どんなのでも歓迎です!」
(ただ、ネタバレを含む解説は出来ませんので悪しからず。(小声))
「それでは、ばいば~い。」
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