虚実の書
虚実の書
「ああああああああああああああああああああああ!」
ダン!ダン!ダン!ダン!(机を叩く音)
「どうして誰も俺を信じてくれないんだ!」
薄暗い部屋の中、PCを見つめながらゲームの掲示板で書き込みをする男性。
「お前らは、どうせ何にも知らないくせに!」
「くせに!くせに!あああああああああああああ!」
ダン!ダン!ダン!(机を叩く音)
「これも全部、書いてたことと違うせいだ!」
ダン!ダン!(机を叩く音)
「うるさいわよ!静かにしなさい!」
「うっせぇんだよ。ばばあ!」
「ヒャ....。(小声)」
「はぁ....クソがマジでほんっとにつっかえねぇ。」
「ッチ。」
カタカタカタカタ(キーボードの音)
「フン、まぁ.....あれは、合ってたわけだし嘘じゃなかったんだから。こいつらマジ俺に謝れよな。というか感謝しろよカス!」
「っていうかクソ、マジで本当になんで違うんだよ!」
「ッチ、マジで使えねぇ。」
「絶対、俺と同じやつがいる。」
「あれで無双して将来は、大金持ちで美少女はべらせて。」
「ぐふふ.....が!」
「クソが!クソが!」
「なんでねぇんだよ!」
「どうせ働いたって"意味ねぇん"だからあれがねぇと意味ねぇのに!」
「あああああああああ!」
ダン!(モニターを殴る音)
「クソ........。」
ジジ.....。(モニター様の御臨終。)
「おい!.....。」
「はぁ、モニター買ってくるか。」
「どうせ金ならゲームでさんざん稼いでいくらでもあるし。」
「まぁ、その前にゲームにログインしてあれだけでもゲットしとくか。」
「どうせ誰もまだ目を付けてないだろうからゆっくり手に入れるつもりではいたが.....。」
「俺の邪魔をする虫がいるっぽいしな。」
「見つけたらぜってぇぶっ○してやる!」
※○:大変汚い、不愉快な言葉です。良い子の皆は真似しないように!
シュイン
[伝竜の覇者キングルーがログインしました。]
ルー「んじゃ、あれだけでも手に入れてくるか。」
(母ちゃんの分も含めて最低2個か......。)
ルー「ッチ、まぁ俺は"選ばれし者"だからな。」
ルー「お荷物のばばあくらい一人や二人......。」
(クソが.....。また口が悪くなっちまった。)
ルー「あのばばあ、ゲームはしたくないだとかなんだとか言うから。」
ルー「まぁ、俺は優しいからな。見捨てたりなんてしねぇ。」
ルー「ッチ、これも全部あの"聖杯"が無かったせいだ!」
ルー「あれさえあれば、俺が次の"勇者"だったのに!」
ルー「クソが.......。」
洞窟に入り、入り組んだ道を進んで行く。途中の分かれ道を左に曲がり、次に右、それから左へ進み、もう一度左へ進む。それから岩のある広い場所が見えたらその岩の裏側へ行き印を見つけてそれを触った状態で.....。
ルー「輪廻の輪を逸脱し、死を拒み死を食らい。1度の奇跡を実に宿し、喰らい喰らわせ生者の魂。」
ゴゴゴ.....という音と共に、岩が動き出し階段が現れる。
(ッチ、こんなん誰が分かんだよって話だよな。)
(まぁ、俺くらいか。)
ゴゴゴ......(閉まる音)
ルー「さぁさぁ、出てこい雑魚どもが!」
カチャ.....。カチャ...カチャカチャカチャカチャ。
だんだんと大きくなってくる足音、迫りくるのは端から端まで埋め尽くす大勢の骸骨兵士。
Monster:Soul Life Skeleton (ソウルライフスケルトン)
「カタカタカタ!」
ルー「ガタカタカタガタ抜かしてんじゃねぇ!クソ雑魚どもが!くたばって○ね!」
※○:大変汚い言葉が流れております。良い子は使わないように。
ルー「ドラゴンハート!」
ルー「ソウルハート!」
ルー「ライジングハート!」
ルー「バトルアップ!」
ルー「パーフェクトシールド!」
ルー「ドラゴンハウル!」
ルー「ハッハッハ!これだよこれ!」
ルー「さいっこうだぜ!」
ルー「ソウルサーチ!」
ルー「ばーかが!見えてんだよカス!」
決して難易度の低いダンジョンだというわけではない。ここに隠されたアイテムは、物語の中盤で登場するような隠しアイテムである。そのため、それに合わせて難易度は高く、パーティープレイを推奨して作られた極悪非道のダンジョンとなっているはずなのだが........。
ルー「馬鹿が、俺に炎は効かねぇ!」
ルー「持ってくるならマグマでも持ってこいやぁ!」
Monster:Soul Magic Catherine (ソウルマジックキャサリン)
ルー「ハッハー!てめぇの物理攻撃無効だとかは、意味ねぇんだよ!」
ルー「○んどけカス!」
ルー「パラライズ!」
ルー「ソウルブレイク!」
「キュアァァ!」
ルー「叫べ叫べ!唸れ唸れ!」
ルー「俺に攻撃は、通用しねぇ!」
「ダークネスホール!」
ルー「ッチ!ディメンションムーブ!」
「ファイヤーアロー!」
Monster:Darkness Shadow (ダークネスシャドウ)
ルー「うっぜぇんだよ!」
ルー「これでも喰らっとけや!」
インベントリーから取り出した巨大な斧を投げてモンスターの頭をかち割る。
ルー「いっちょ上がり!」
「ライフドレイン」
「ソウルハート」
「パラライズショット」
「ダークネスバインド」
「プラズマショック」
「ウォーターアロー」
ルー「ッチ、知ってたが物理の次は、魔法かよ。」
ルー「まぁ、魔法の方が得意なんだがな!」
ルー「マジックキャンセリング!」
ルー「ディメンションムーブ」
ルー「サイレントルーム」
ルー「ソウルディフェンス」
ルー「ハッハッハ雑魚が!」
ルー「虫けらがドラゴンに叶うわけねぇんだよ!」
ルー「ダークホール!」
長い長い戦いの末、洞窟の奥にある巨大な樹木、そこに実っている果実を二つ手に取り、やっとの事で目的のアイテムをインベントリーに仕舞う。
ルー「これでまぁ、ひとまずは達成か。」
ルー「もっと持って行って売りさばくでもいいが......。」
ルー「どうせ今持って行ってもアイテムとしての価値がねぇ。」
ルー「しかも一人1回限りの使用可能アイテムだ。」
ルー「保険としちゃぁ十分すぎる性能だが、今手に入れたって誰もその価値に気が付かねぇんじゃぁ意味ねぇしな。」
ルー「そんじゃぁ、買いに行くか....モニター。」
シュイン
[伝竜の覇者キングルーがログアウトしました。]
PlayerName:伝竜の覇者キングルー
種族:竜人
職業:魔斧士
Level:不明
Skill:多すぎるため詳細不明
称号:不明
<ネタバレにならない程度でサクッと解説コーナー!!!>
「どうも書架に飾るを書いている白ウサギです。」
「あらぁ?今回も新しい人物が登場しましたね.....。」
「勇者へのなり方を知っている素振りや、掲示板への書き込み.....。」
「そうこの方が、嘘つき呼ばわりされながらも掲示板で、勇者が現れただのヴィギルアで
「ど~してそんなこと知ってるんですかねぇ?」
「なんでですかね?どうしてなんですかね?ネタバレ辞めてくれませんかね?」
「まぁ、それよりも性格がとっても悪いようです.....。」
「(´Д`)ハァ…、いったいどうなってるんですかね?」
「それでは、本日もサクッと解説をしていきましょう。」
「そうですね。たびたび出てくる"天秤"について解説していきましょう。」
「誰が何の目的で作ったのかについては、まぁいずれお応えするとして.....。」
「今回は、効果についてお応えしましょう。」
「その効果は、均衡です。」
「"天秤"という名の通り、世界の均衡を保つための道具であり、書架に飾るの世界で実在する"アイテム"です。」
「例えば、以前お話したプレイヤーの称号の効果は復活ですよね?」
「無限に復活できるなんて明らかに強力な特典だと思いませんか?」
「本来、人間の命は1度限りしかありません。だから人間は必死に生きて、もがいて、苦しんで!素晴らしい人生を送るのです!!!」
「それを何度も何度も何度も何度も...........。」
「おっと失礼、フフ。」
「まぁ、そんな強力な効果は、世界の均衡を揺るがしかねません。なので、均衡を保つために天秤が効果を発揮し、記憶という代償を払っていただいているのです。」
「まぁ、死ななければその代償を払う必要がないわけですよ。」
「とっても素晴らしい贈り物だと思いませんか?」
パンパカパーン(ラッパの音)
「フフ、じゃぁもし天秤が無ければどうなるのか?」
「始まりの街にラスボスが平然と現れる地獄が生まれるだけですよ。」
「まぁ、彼女がそうするかどうかなんて知りませんけどね。」
「しないじゃなくて出来ることが問題なんですから。」
「それに、"×"が....おっと、こっから先はお話しできませんね。」
「それでは、本日のサクッと解説を終わりにしましょう。」
「いろんな質問やコメントをお待ちしております。」
「いつでも、どんなのでも歓迎です!」
(ただ、ネタバレを含む解説は出来ませんので悪しからず。(小声))
「ばいば~い。」
ブチッ
※回線が切断されました。
System:復旧を開始いたします。
System:復旧いたしました。
ブチッ
※回線が切断されました。
System:復旧を開始いたします。
System:復旧いたしました。
ブチッ
※回線が切断されました。
System:復旧を開始いたします。
System:復旧いたしました。
「誰ですか?毎度毎度、辞めてください。」
「本当に怒りますよ?」
カタ(ペンの落ちる音)
「あら、あら.....。29話の時は、よくもやってくれましたね?」
「おかげで私が恥をかいたじゃありませんか?」
「皆さんにお伝えしたい?」
「フフ、馬鹿な事を言わないで下さい。」
「これからが面白いところなんですから。」
「最悪な結末を回避する?」
「バカげたことを言わないで下さい。」
「"×"の思い描く最悪な結末は、もうすぐなのですから!」
「"始めに"言ったでしょう?」
「これは、誰しも一度は、今とは違う「物語(自分)」を夢見るだとう。って、それがこの結果なんです!」
「もう邪魔をしないで下さいね?」
「あなたの"物語"じゃないんですから?」
「それでは、さようなら。」
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