ー 22話
???「これじゃぁダメだ。こんなんじゃまだ足りない。」
"フードを深くかぶったプレイヤー(?)"は、何度も何度もそう呟きながら新大陸で何かを探しながら、レベルを上げている。
???「今回は、これを手に入れるのが遅すぎた。」
???「早くこの失った時間を取り戻さないと、手遅れになる。」
新大陸の深い洞窟、そこにはレベル上げに適したモンスターが大量に生息しているが、もちろん生半可なレベルで入れる場所ではない。
フードを深くかぶったそのプレイヤー(?)は、銀色に輝くエフェクトをまき散らしながら、人間とは思えない動きをしながらモンスターをなぎ倒している。
複数のモンスターに囲まれて、その全てのモンスターがその1人のプレイヤーよりも高いレベルを持っているのにも関わらず、そのフードを深くかぶったプレイヤー(?)は、的確に敵の急所を突き倒している。
Monster:DeepBlueLizardMan (
「キシャアァァァァ」
雄叫びを上げながら、そのプレイヤーに立ち向かうリザードマン達は、一瞬にして首を
「シャァッシャァ!?」
驚きたじろぐリザードマン達の先頭に立った勇敢なリザードマンは、雄叫びを上げてそのプレイヤーの攻撃を槍で弾き返し、仲間の士気を高め雄叫びを上げる。
???「お前たちに邪魔されるようじゃ、一生この先に進めないだろうが!!!」
そのプレイヤーの怒りにも似た感情と叫びに上がったはずのリザードマン達の士気が下がり、さらにリザードマン達を恐怖のどん底に叩き落とす。リザードマン達からしたら訳の分からない事を叫びながら向かってくるプレイヤー。味方のリザードマンは次々に死に、消えていく。
この先に進ませるわけには行かない。この先には、"愛する家族"がいるのだから。
「キシャァァァァ!!!」
腕を捥がれようとも、足が吹き飛ぼうとも、この先にこの狂ったプレイヤーを進ませるわけには行かない。
洞窟の中で響き渡る二つの音は、赤いエフェクトをまき散らし、銀色のエフェクトをまとったプレイヤーが、勝利する。
片腕と片足を失い、それでも這いずりながら戦った勇敢なリザードマンは、ついに息絶え涙を流しながら消えていく。
???「見つけた。」
洞窟の奥にある古代都市、その奥の祭壇にある"聖杯"を手に取り、この場を去ろうとする。
「キシャァ!」
Monster:BlackKnightLizardMan(
???「これを渡せないってわけか。」
先ほどまでとは違って鎧を着ていて綺麗な槍を持ったリザードマン達が行く手を阻む。
「シャァッシャァァァア」
???「何を言ってるのか分からないけど、それを置いていけって事かな?」
???「悪いけど、これは必要なモノなんだ。」
「シャァ!!!」
槍を突き出し、仲間と連携して攻撃するが、そのプレイヤーには当たらない。
???「ごめんね。君達との戦闘は、何回も経験してるんだ。」
背後に回って身を潜め攻撃のチャンスを伺っていたはずの、Hideing(身を潜める)
あり得ない光景に、一瞬固まり急いでそのプレイヤーに目を移すと目の前が真っ暗になる。
(あぁ、死んだのか。)
地面に倒れた衝撃と共に手足の感覚が消えて行く。
「まだ終われない!」
仲間のリザードマンの声が聞こえる。
???「@/:^=[:/:][@;`:;」
プレイヤーが何か訳のわからない事を言っているが動揺しているのが分かる。
(どうか、勝ってくれ!あの侵略者に聖杯を渡すわけにはいかない!)
薄れ行く意識の中で、仲間のために、家族のために戦う同胞たちの雄叫びを聞きながら、エフェクトとなって消えていく。
この戦いが起こった数日後の出来事。
シュイン
高梨「はぁ......はぁ......。」
ププ「高梨さんって、ほんまにゲーム下手っすね。(苦笑い)」
高梨「そんな事言わんで下さいっスよ!」
味塩「本当なら今頃新大陸ついてるはずですよ?」
高梨「悪かったっス。付き合って下さってる視聴者の人ごめんっスよ~。」
ププ「まぁ、アプデ来てから数週間立ってもまだ新大陸の入り口にも触れれてないんですからね。そりゃ視聴者も激おこですよ。(苦笑い)」
チュチュ「私、飽きた~。」
高梨「ごめんっスよ~。」
味塩「まぁ、少しずつですけど、進んでるわけですし、まだ新大陸に行ったよって人の情報は上がってないんで、俺たちがたぶん最初ですよ?」
チュチュ「え~、でも遠い~。」
ププ「まぁまぁ、チュチュさん、私達が新大陸一番乗りだったりしたら称号とか貰えるかもですし、頑張りましょうよ?」
チュチュ「は~い。」
カモメ「この先にモンスターがいる。」
味塩「了解!戦闘準備!高梨さんは、休憩で。」
高梨「ごめんっス。」
チュチュ「え~いいなぁ。」
ププ「まぁまぁレベル上がるわけなんだからいいでしょ?」
チュチュ「は~い。がんばる~。」
PlayerName:配信者高梨
種族:人
職業:記者
Level:47
Skill:.../Mapping(地図作成)/Recording(記録)/Rising Speed(速度上昇)
称号:プレイヤー/届ける者
PlayerName:ププ(-ω-)
種族:森人
職業:不明
Level:不明
Skill:不明
称号:プレイヤー
PlayerName:味塩パッパ
種族:竜人
職業:不明
Level:不明
Skill:不明
称号:プレイヤー
PlayerName:チュチュ
種族:獣人
職業:不明
Level:不明
Skill:不明
称号:プレイヤー
PlayerName:カモメ
種族:人
職業:不明
Level:不明
Skill:.../Search(索敵)
称号:プレイヤー
PlayerName:不明
種族:不明
職業:不明
Level:不明
Skill:不明
称号:.../Pioneer(先駆者)
<ネタバレにならない程度でサクッと解説コーナー!!!>
「どうも書架に飾るを書いている白ウサギです。」
「あれ?今回出て来た高梨さんって.....。」
「え?その話を聞きたいんじゃない?」
「まぁまぁ、その話をしたいのは山々なんですけどまだ話せない事も多いんですよ.....。」
「まずは、今回出て来た高梨さんについてお話ししましょうか。この人は、忘れている方もいるかもしれませんが、17話に出て来たヨッツーイン配信者の高梨さんです。」
「あれから、高梨さんって新大陸に急いで向かったようなのですが、未だに辿り着けていないようですね。」
「その事からも分かるように、アプデ前の地形がとっても広大だったことが分かります。」
「あと、高梨さんって魔剣士目指してたって言ってたのに、職業を記者に替えたんですかね?」
「それとも諦めたんですかね?」
「まぁ、そんなことは置いといてこのフードを深くかぶったプレイヤーについて聞きたいんですよね?」
「最後にPlayerName:不明で書かれているステータス覧の通り、この人が新大陸に初めて来たプレイヤーであり、パイオニアの称号を手に入れた人物です。」
「ひえぇ、文章を見て分かる通り、この高梨さんって人は、多くのプレイヤーを引き連れて行っているのにまだ到達出来ていないのに対して、この人は、ソロで到達してしかも戦闘までしてるみたいですね。」
「しかもよくよく考えてみて下さいね。このプレイヤーがおばあさんから本を譲り受けたのがヴィギルアっていう始まりの街であり、そっから広大な地形を速攻で乗り越えて数日で誰も来たことのない新大陸に到達したということになります。」
「明らかにおかしい速度で到達してるということになりますね。」
「一体何者なんでしょうかね?」
「称号についても聞きたいって?」
「分かりました!今回は届ける者の効果を説明させて頂きます。」
「称号名:届ける者の効果は、ずばり!届けた人数によってステータス値が上昇するという特典です。」
「ちなみに、ステータス値の上昇は、とっても低く、届ける人数が多くないといけません。」
「どれくらいの人数が必要なのかについてですが、50人で1上昇100人で1上昇500人で1上昇1000人で1上昇5000人で1上昇......と言う感じに上がって行きます。必要人数もだんだん増えていきしかも全ステータス値が上がるのではなく、ランダムに割り振られ、しかも届いた人の興味を失えば、上がったステータス値が下がるというデメリットが存在します。」
「興味を失えばってそんな感情的なものをどうやって判断するの?って事についてですが、インベントリー内にその人が書いた新聞や、地図、本など、その人が制作したモノを持っていれば、興味を示しているという風に判断され、逆に捨てられてしまえば、興味を失ったという風に判断されるわけです。」
「インベントリー内には、多くの物を入れられるとはいえ、ゴミ箱みたいにはしたくない人もいますよね?」
「いらないなって思うものを整理して捨てたりする人も多いと思います。」
「そういう意味では、なんとも扱いが難しい称号なのではないでしょうか?」
「それじゃぁ、大量に作って配布すればいいって?」
「もちろん加算されるのは、1人1回のみであり、捨てられればリセットされるという仕組みになっているため、多く配ればいいというわけでもなく、興味を惹かれるモノ、それこそ地図だったり本だったりを生産するのが一番いいのでしょう。」
「ちなみにその人が作ったモノが他の人に渡った場合には、その渡した人のカウントはリセットされますが、渡った人のカウントが増えます。」
「と言う風に、まぁ称号の効果としては、無いよりはマシ的な特典になっていますね。」
「もちろん、その1や2だったりする微妙なステータスの差は、大事だったりするんですけどね。」
「ただ、この高梨さん明らかに戦闘職ではなく、文章で見て分かる通りクッソ下手っぴのようです。」
「パイオニアの称号については、また今度説明するとしましょうか。」
「それでは、本日の解説は以上とさせて頂きます。」
「ばいば~い。」
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