ー 20話

※前回のスレッドの話

と、言うのを意気揚々と語っている友達と食事をしながら、俺は友達が最近は、そういう話にハマりだしたんだなぁと、窓の外を見る。

窓の外は快晴で、セミの鳴き声も聞こえてくる。

いつも変な話を持ち込んで来ては、振り回されるので今回ばかりは、何もないことを願いながら、ファミレスで友達の奢りのハンバーグを食べる。

この奢りは、この前ゲーム内で迷惑を掛けた事への償いらしい。こういう所でしっかり反省してくる友達に、どこか怒れない所がまた何というか.......。

そんな事を考えながらも、今度はどうせゲーム内でその噂の真相を確かめに行こうぜなんて言い出すのだろう。

達也「なぁ!佑真行くよな?」

(ほら見たことか....。)

佑真「悪いが今回はパスで。」

達也「えぇ、なんで?」

佑真「嫌な予感がするから。」

達也「この前は悪かったって。」

佑真「いいや、また無茶に付き合わされるのは嫌だね。」

チェっと言いながら、友達はしめのケーキを頼んでいる。

佑真「それより、夏休みの宿題だろ?」

達也「えぇ.....。」

ケーキが来るのを楽しみに待っていた友達は、宿題と言う言葉に嫌な顔をする。

佑真「なんのためにファミレスまで来たと思ってるんだ?」

達也「いやぁ.....。食事的な?」

佑真「もう、教えなくていいな?」

そう言うと、達也は御免ってと頭を下げながら、教えてくださいと言う。

佑真「今日は、ゲームなんてできないと思っとけ。」

達也「鬼!悪魔!」

佑真「マジで帰るぞ?」

達也「すみませんでした!」

(はぁ.....いったいいつになったら終わるのやら.....。)

まだまだ夏休みは続くわけだが、こいつの事だから俺が誘わない限りは、最終日まで宿題を溜めておくつもりだったのだろう。

達也「う~ん.....。」

達也が宿題をやっている間、俺はというと携帯で書架に飾るの噂について調べてみていた。確かにすごい技術が使われているのは、やってみて実感したのだが、さっきの話を聞いてより怪しさ(?)というかなんというか、不安に感じる部分が出てきたからだ。

(いったいどこの誰が作った技術で、どこの会社の物なんだ?)

いろいろ検索してみてみるのだが、会社は特に有名な名前のゲーム会社と言うわけでもなく、この書架に飾る以前には、聞いたことのない名前のゲームを売っていたみたいだ。ただ、そのゲームについては、もう販売されておらずやる事は出来ないようなのだが.....。作った人物についてだが、特に記載がなく、どういった技術が使われているかについては、それっぽいことが書かれてあるだけだった。

(まぁすごい技術だし、隠したくもなるよな.....。)

掲示板も内容を見てみたが、特にさっき聞いたような内容の物はないのだが、先日アプデの際に聞いた勇者という称号についての内容のスレッドが多く立てられていた。内容は、誰が勇者なのかというものから、そんな称号は存在しないという話。NPCが勇者だよ。などという作り話まで出ていた。

達也「な~、佑真ずるいぞ~。」

俺が携帯をいじりながら笑っているのを見て、宿題に集中できていない達也が、俺も見たいと言い出す。

佑真「はぁ、俺は宿題ある程度終わらせたぞ?宿題で分からないところあったらいつでも教えてやるから、さっさとやれよ?」

そう言うと、えぇと言いながらも、頑張ってやっている達也を見ながら、俺は携帯で流れた来たニュースに目が止まる。

(えぇっと、なになに?VR技術の最先端!書架に飾るを取材。この夏の自由研究にどうですか!)

(へぇ.....。見て見るか。)

ニュースを見終わると、達也はもう無理と言いながら、今日は頑張ったしこれくらいでいいよな?と言ってくる。

佑真「まぁ、確かに頑張ったんじゃないか?」

平日で空いているとはいえここに来てから、3時間くらい立っており、そろそろファミレスから出ようと思っていたので、俺は頑張った達也にこれからは毎日やれよと釘を刺す。

達也「うへぇい。」

情けない返事をしながらも、力尽きた達也は自転車を漕いで家に帰って行った。

佑真「俺も帰るか。」


家に帰ってから、VRを取り出しゲームにログインする。

シュイン

ユーマ「晩飯になるまで、ゲームでもするか。」

ユーマ「それにしてもやっぱりこの技術ってすごいよなぁ。」

ニュースで見た内容は、ネットで調べた内容とほぼ変わらなかったわけなのだが、改めてゲームで実際に体験してみてその凄さを実感する。

ユーマ「それよりだ。いつになったら体術は、使えるようになるんだ?」

いつまで経ってもステータス内で、未完成のままの体術を見ながら、俺は溜め息を付く。

ユーマ「誰かに聞いてみるか?でも、知ってそうな人とか知らないしなぁ。」

ユーマ「あ、騎士団長だったっけな?あの本に書かれてた人物って、町の警備兵の人に聞いてみたら教えてくれたりしないかな?」

俺は、あの日の夜に出会った優しい感じの警備兵のおじさんに会いに行く事にした。


PlayerName:ユーマ

種族:人

職業:剣士

Level:9

Skill:Healing/体術(未完成)/Slash(斬撃)/Magic Control(魔力操作)(未完成)/Boost Slash (斬撃上昇)/Hideing (身を潜める)(未完成)

称号:プレイヤー


<効果をネタバレにならない程度でサクッと解説コーナー!!!>

「どうも書架に飾るを書いている白ウサギです。」

「そうですね。今回は、Healingについて解説させて頂きます。」

「いきなり、完成した状態で手に入ったHealingという名前のスキルなわけですが、どうしてこのスキルには、()がないのでしょうか?」

「翻訳されていないだけ?書き忘れてしまっていてそのままなだけ?いいえ、そういうわけではありません。」

「あえて、このスキルは、区別するために書かないようにしてました。」

「それじゃぁ、これはヒールというスキルじゃないの?ってなると思われますが、"現時点"では性能は全くの同じです。」

「このスキルを手に入れるときに読んだ、<Healing Clergyman>(癒しの聖職者)という名前の本、これの内容を解き明かせば、いずれ本来の効果を発揮することができるのかも知れません.....。」

「まぁ、このユーマさんがそれに気づいて完璧に使えるようになるかどうかなんてわからないんですけどね。」

「効果についてなんですが、MPを消費してHPを回復するよくあるスキルです。」

「HPはどれくらい回復するのかについてなのですが、だいたいポーション1回分だと思ってください。」

「ただ、どのスキルも熟練度、隠しステータスの練度により効果が増減するので、何とも言えません。消費MPについては、一定です。」

「MPがなくなったら?」

「そりゃもう使えないというわけではなく、使おうと思えば使えるんですよね。」

「どういうこと?ってなると思いますが、それもまたいずれお話いたしましょう。」

「それでは、本日の解説は以上とさせて頂きます。」

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