ー 15話
--PosM--
佑真:今日も一緒にやるか? 14:00 (未読)
シュイン
ユーマ「あいつ多分まだ寝てるんだな。」
そう独り言を呟きながら、俺は今日もゲームにログインする。
ユーマ「昨日の感じだと一人でレベル上げするのは、ちょっときついんだよな。」
そんな事を思いながら、俺は冒険者組合の前までやって来てからまた誰も受けないようなクエスト受けさせられるのかな?という風に思い引き返すかどうかを考える。
ユーマ「あ、そういえば本!ここら辺で本とか読める場所ないか探してみてからスキルを手に入れれないかやってみるか。」
俺は、昨日の出来事を思い出して、冒険者組合の場所を離れて本が読めそうな場所を探してみる。
カランカラン
NPC「いらっしゃい。」
ユーマ「あ、どうも。あの~、ここで本を読めると聞いたんですけど?」
そう問いかけると、おばあちゃんはメガネをくいっと上げてから、
NPC「あぁそうだよ。ここでは、本が読めるけど静かにしなきゃ追い出すからね。」
と言って、カツカツと杖を突きながら近寄ってきてから、ほらこれだよ。と言って壁に貼ってある紙をバンバンと叩く。
<
1.
2.
3.
4.
これらを
NPC「読んだかい?」
ユーマ「は、はい。(小声)」
NPC「うちはね。庶民のために本を貸し出しているさね。お金は取らないけんど、これらの規則を守れない子は出禁にさせて貰ってるのさね。」
そう言いながら、おばあさんはカツカツと杖を突きながら、カウンターの方に戻っていってヨイショと言って椅子に座り本を読みだす。
俺は、辺りを見渡しながら、
(本がいっぱいだな。)
と、天井の方まで積みあがった本棚を見る。
俺は、おばあさんのいるカウンターに駆けよってから、
ユーマ「あのぉ。上の方にある本ってどうやって取るんですか?(小声)」
NPC「そうさね。私に声を掛けてくれたら欲しい本を取って来てあげるさね。」
ユーマ「そ、それじゃぁ。剣術の本とか、魔法系の本ってありますか?(小声)」
NPC「あるさね。ちょっと待ちなさい。」
そう言っておばあさんは、袖から杖を取り出して、何かを唱える。
そうすると、本棚の奥からいくつかの本が浮いておばあさんの目の前で止まり、カウンターの上に積み重なる。
NPC「ほら、これだよ。剣術の本だとか魔法だとかの本が欲しいって言うってことは、そういうのに興味はあるけど、まだよく知りはしないってことなんだろ?これが初心者向けの本だからまずは、これを読みなさい。」
そう言って3冊の本を渡してくれた。
ユーマ「あ、ありがとうござます。(小声)」
NPC「そこの本棚を右に曲がって先に進みなさい。そこにテーブルと椅子が置いてあるからそこで読みなさいね。」
そう言っておばあさんは、また本を読みだした。
ユーマ「えーっとなになに?」
<体術の基礎>
<剣の振り方>
<天魔の書>
ユーマ「天魔っていうのが、魔法の基礎なのかな?(小声)」
(まぁとりあえずは、一通り全部読んでみるか。)
カランカラン
「おぉぉお!ここが無料で本が読める場所か!(大声)」
「これだけ多いってことは、スキルがむっちゃ手に入るじゃねぇか!」
NPC「あぁそうだよ。ここでは、本がいつでも読めるさね。けど静かにしなきゃ追い出すからね。」
「まぁまぁばあさんケチケチすんなって。(大声)」
カツカツカツ!(杖の音)
バン!(壁を叩く音)
NPC「これさ目に入らんかね!(大声)」
「おぉおこったぞ。このばあさん。」
「まぁまぁそんな怒らんといてやぁ。クスクスクス」
NPC「しっかり読みなさい。」
「えぇっと。うるさくすんなってのと、本を大切にねぇ。」
「こういうの小学校の図書館にもあったよなぁ。クスクス」
「あー、あったあった。(大声)」
NPC「まぁだ。うるさくするさね。静かにしんさい!」
「あーあーうっせぇなぁ。さっきからよぉ。」
「ほんま、NPCのくせして何様なんだよ。クスクス」
NPC「わけわからん事抜かしはってから。あんたら出禁だよ?」
「ッチ、うっせぇなぁ。」
「おーい!このNPC、NPCのくせして差別してくんぞぉ!(大声)」
「やっちまうかぁ?」
「NPCって確か死んだらリポップしなかったよね!クスクスクス」
※リポップ:キャラクターが死んだ後にしばらくすると再び同じ場所に現れる現象。リスポーンともいう。
入口の方でそんなやり取りが聞こえて来て、席を立ち入口の方を見てみようと思い戻ってみると、何もなかったようにおばあさんはカツカツと杖を突いてカウンターの方に戻って行った。
ユーマ「あのぉ先ほどは大丈夫でしたか?(小声)」
そう聞いてみると、おばあさんはニコっとしながら、
「現役の頃よりは、腰も痛くなってね歩くのも大変さぁね。でもあんなチンピラに負けるほど落ちぶれちゃいないよ。」
と言って、また本を読みだした。
(あの人らどうなったんだろ?)
という疑問は残るが、聞くのが怖かった俺は、静かにテーブルの方に戻って貸してくださっている本を読みだす。
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