ー 9話
リュウ「ふぅ、食べた。食べた。」
ユーマ「ゲームだからか、満腹感とか気にせずにずっと食べれたな。」
リュウ「これぞ!フードファイター!」
ユーマ「いや、違うだろ。」
アハハと、笑いながら時間を見ると、
ユーマ「それより、今10時半くらいか。」
リュウ「案外、時間たってたんだな。」
ユーマ「そうだなぁ。」
そんなことを言いながら空を見る。空には満天の星と丸い月が見える。
ユーマ「むっちゃ綺麗だよな。」
リュウ「あぁ、綺麗だな。リアルじゃ見られないぜ?」
ユーマ「確かに、これだけでもやる価値がありそうだな。」
リュウ「はじめて良かっただろ?」
ユーマ「そうかもな。」
リュウ「そんじゃ、まずはお店系から見ていくか。」
リュウ「店の場所とか分かってた方が、明日始めやすいだろ?」
ユーマ「確かに。んじゃ、店の場所探すか。」
俺たちは、ヴィギルアの町にある店をいろいろ周って行った。露店は残念ながら閉まっているところが多くて何の店かは、ほとんど分からなかったが、それ以外でも沢山の店がヴィギルアにはあった。
リュウ「そんじゃ、一通り見て回って、装備もある程度整えることが出来たし、そろそろ落ちるか?」
ユーマ「こっち側は見なくていいのか?」
リュウ「あぁ、そっち側は治安が悪いみたいだからな。」
ユーマ「治安とかあるのか?」
リュウ「基本的に街の中での戦闘や、盗みなどの犯罪をすれば、街の高レベル兵士が来て、逮捕されたりするだろ?」
ユーマ「そうらしいな。」
リュウ「そっち側は、それがないらしい。」
ユーマ「つまりは?」
リュウ「無法地帯で、盗み、PK、なんでもありってわけだ。」
ユーマ「なるほどな。そういうところって他にもあるのか?」
リュウ「掲示板を見る限りでは、あるっぽいな。」
リュウ「でも、そういう所って雰囲気で分かるらしいし、気を付ければ問題ないだろ?」
ユーマ「そっか、じゃぁ今日はこの辺で終わるか。」
リュウ「おう!明日、昼の3時からな!」
ユーマ「了解。次は遅れんなよ?」
リュウ「お、おう!」
シュイン
[リュウさんがログアウトしました。]
シュイン
[ユーマさんがログアウトしました。]
ピコン
--PosM--
母:そろそろ、私は寝るけど、お風呂そのままだから、入るのよ? 23:30
佑真:うん、今から入るところだから。 23:30
母:あら、そうだったのね。お風呂冷たくなってると思うから、温かくするのよ? 23:31
佑真:はーい。23:32
母:私は寝るけど、父さんが帰ってきたら、夕食テーブルに置いてるからって教えてあげてね。 23:33
佑真:了解 23:34
佑真「そんじゃ、風呂に入って寝るか。」
(それにしても、VRってすごい技術だったな。)
ガチャ、パタン。
佑真「おかえり。」
父「ただいま、こんな時間にどうしたんだ?」
佑真「今から、風呂入るとこ。」
父「今日は遅いんだな。」
佑真「うん、VRっていうのをやってたんだ。」
父「おぉ、父さんの会社でも最近やってる同僚多いらしいぞ。」
佑真「そうなんだね。すごかったよ。現実見たいに動けて。」
父「そうか、そうか。」
佑真「そんじゃ、俺風呂入ってくるから。夕食はテーブルの上だってさ。」
父「おう、分かった。」
父はそう言いながら、テーブルに置かれた夕食を温めて、食べる準備をする。
俺は風呂から上がってソファーに座りながら一息をつく。
佑真「ふぅ、疲れた。」
父「母さんは、もう寝たのか?」
佑真「うん、明日早いみたいだからね。」
父「そうか、明日だったか。」
父「明日は、早めに起きて朝食でも作ってやるか。」
佑真「久しぶりに父さんの飯かぁ。」
父「明日は、父さん休みだしな。」
父「それにしても、VRってすごいんだな。」
父「ずっとCMでやってるぞ。」
佑真「うん、最近は、こればっかりだよね。やってみたけど、思った以上に自由度があって面白かったよ。」
佑真「ひと昔前の、VRゴーグル(?)みたいなやつでリアルで動くと反応する的なやつじゃなくて、寝てるのに自由に動けるからね。」
佑真「それに、値段も昔に比べて手ごろに買えるくらいの値段だったし。」
父「最近は、すごいんだな。」
そんな雑談をしてから、俺は自室に戻って寝る。
今日を振り返ると、いつもより濃い1日だったな.....。
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