冒険の書

冒険の書

シュイン

「えっと、あいつちゃんと時間通りに来てるのかな?」

俺は周囲を見渡して来てない事を確認する。

「はぁ.....やっぱあいつゲームに熱中して時間忘れて遊んでるな。」

「メール送ってやるか。」

ピコン

(えっと、設定からメールを開いて、PosM(通称ポスム メールのやり取りができるアプリ)を連携してっと、これであいつにメールできるな。)

(なんて送るか.....)

「よし、これでいいか。」

俺はにやけ顔であいつにメールを送信する。

「まぁあんだけ言ったのに遅れてくるやつが悪いんだしな。」

ピコン、ピコン。

System:メールが届きました。

「お、すぐ返信が来たな。」

(えっと、何々.....焼肉奢るのは勘弁してくれか。)

(でもあいつ、遅れてきたし今日2000円貸してやったとき、なんか奢るって言ってたもんなぁ。)

と俺は、にやけ顔でそう返信する。

ピコン、ピコン

「はぁ、勘弁してやるか。」

--PosM--

佑真:冗談だよ。ほら早く集合場所来いよ。 20:05

達也:わりぃ、すぐ行くわ。20:06

達也:着いた!お前ゲームの名前何? 20:10

佑真:ユーマだよ。お前は? 20:10

達也:俺は、リュウ。 20:11


「おーい。」

真後ろから誰かが俺に呼びかける。

ユーマ「お前、達也か?」

リュウ「おい、リアルネームはダメだぞ。ユーマ」

ユーマ「あぁ悪いリュウ....だったか、それよりその角どうしたんだ?」

リュウ「あ、これか?これ竜人になったからだぜ。カッコイイだろ?」

ユーマ「重くないのか?」

リュウ「ツッコムとこそこかよ。重くねぇよ。というか重かったらまともにゲームできないだろ?」

ユーマ「それもそうか、というか名前なんでリュウにしたんだ?」

リュウ「そりゃリアルネームにするよりかは、変えたほうがいいしどうせならカッコイイ名前のほうがいいだろ?」

ユーマ「それならラインハルトとか、アーサーとかそういう名前の方がかっこよかったんじゃね?」

リュウ「いいんだよ。これで、それより行くぞ。」

ユーマ「どこにだよ?」

リュウ「まずは、冒険者組合だよ。ユーマはまだ行ってないだろ?」

ユーマ「あぁ、チュートリアルで言ってたやつか。」

リュウ「あぁたぶんそうそう。」

ユーマ「お前やっぱり.....。」

リュウ「アハハ、長ったらしくて聞いてないや。」

ユーマ「はぁ、まぁ一応俺は全部聞いてるからわからないことあったら教えるよ。」

リュウ「やっぱりな、お前は変なとこで真面目だから全部聞いてると思ったぜ。」

ユーマ「それで、冒険者組合では何があるんだ?」

リュウ「職業を決めれるのと、あとは身分証ってのを貰えるぞ。」

ユーマ「へぇ、じゃぁ戦闘職じゃなくてもその冒険者組合で登録するのか?」

リュウ「いや、生産職の人は生産組合だぞ。」

ユーマ「おい、リュウ.....俺が戦闘向きじゃない種族だったらどうしてたんだよ。」

リュウ「そん時は、どっちも登録すればいいだろ?」

ユーマ「どっちも登録とか出来るのか?」

リュウ「あぁ、生産職だって金や素材がないといけないだろ?だからどっちも登録できるぞ。」

ユーマ「へぇ、そういうことはチュートリアルで教えてくれなかったな。」

ユーマ「というか、生産組合の事も説明されなかったな。」

リュウ「あー、生産組合はゲームの要素というか機能?じゃなくてプレイヤーが作ったやつなんだよ。」

ユーマ「どういう事だ?」

リュウ「最初は全部、冒険者組合が管理してたんだけどさ、あそこは戦闘職向けの場所だから生産職の人には向いてない依頼ばっかりなんだよ。」

リュウ「そんで生産職の人が集まって、管理や依頼をできるようにしようってなってできたのが生産組合ってわけ。」

ユーマ「へー、じゃぁ組合のリーダー的な人もプレイヤーなのか?」

リュウ「たぶんそうなんじゃね?」

リュウ「着いたぞ。」

ユーマ「なんというか、酒場みたいな場所だな。」

リュウ「まぁ夜は、酒場もやってるからな。」

リュウ「そんじゃ、登録して来いよ。俺はさっき受けた以来の達成報告してくるからさ。」

ユーマ「あぁ分かった。」

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