書架に飾る

白ウサギ

創造の書

誰しも一度は、今とは違う「物語(自分)」を夢見るだろう。

もし○○だったら、もし○○になれたらと想像を膨らませ、大人になるにつれてそっと物語の本を閉じる。

本を読んだ者の中にはその物語(夢)を追い続ける者もいるかもしれないし、その物語(言葉)に救われた人もいるかもしれない。

世の中の沢山の「物語」には、それだけ沢山の創造(想像)が詰め込まれている。

今まであなたが読んだ物語も、主人公の「物語(人生)」が詰め込まれているのかもしれない。あるいは、こことは違う遠い星の出来事が、想像という形で物語として描かれているのかもしれない。

高くそびえたつビルに囲まれ、多くの人が行き交う町で暮らす事のできる現代でも、国が違えば、何処までも続く砂に囲まれた場所で暮らす人、氷で覆われ吹雪の中暮らす人、真っ赤に染まる戦場の中で生きる人、山の頂上で暮らす人の物語は、私たちでは味わえない物語(人生)が詰め込まれている。

この書架に飾られた「創造の書」は、私が最初に創造した書であると同時に、私が生み出す最初の物語の始まりである。

これから書架に飾られる様々な書は、一つの大きな物語(世界)である。

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