第5話 ついに西軍から裏切りがでなくなった
218回目の関ケ原の戦いでは、笹尾山に宇喜多秀家、松尾山麓の中山街道沿いに小早川秀秋、宇喜多秀家と小早川秀秋の間に吉川広家を配置した。吉川広家は毛利家存続のために主力として戦ってくれるようで、その吉川広家が宇喜多勢と小早川勢の間にいるのだから、小早川勢がうかつに宇喜多勢に手を出すことはできない。
松尾山には、大谷吉継に替わって、この石田三成が陣を構えた。
大谷吉継と島津義弘は南宮山の南側の伊勢街道付近に配置。毛利秀元は南宮山の高台に留まったが、もし、何かあれば下山して中山道を遮断できる位置となった。
ここまで、218回目の関ヶ原の戦いであるが、どんなパターンであろうとも毛利秀元だけは動かなかった。家康でなくても、戦後、毛利家は改易か減封にしてくれるわ。
小早川秀秋への鉄砲射撃により本戦が開始された。
吉川広家と井伊直政との間、さらに、小早川秀秋と福島正則の間に激しい戦闘が発生。一方で宇喜多秀家と黒田長政の間ではなかなか戦闘が発生しない。小早川秀秋隊が福島正則隊を押して、前進し始めると、桃配山から徳川家康が下山。伊勢街道付近へと移動し始めた。このことを伝わると、驚愕の出来事が発生した。黒田長政隊が西軍に寝返って、細川忠興隊に攻撃を開始したのだ。不意をつかれた細川隊は大混乱に陥った。
東軍の前線が崩壊する中、島津隊と大谷隊が伊勢街道にせり出して、退路を遮断。徳川家康はまさに袋のネズミ、いや、袋のタヌキ。きっと、夕方までにはタヌキ汁が出来上がることになるのだろう。
もはや、西軍の勝利は目前に迫っていた。
ここで、石田三成に魔が差した。
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