第2話 小早川秀秋

 石田三成は関ヶ原の戦いに敗れた。今回も小早川秀秋が裏切ったからだ。正確にいうと小早川秀秋の配下が裏切ったのである。ちなみに、今回はというのは、これは217回目の関ヶ原の戦いだからである。

 竜の再生の力によりいままで217回の関ヶ原の戦いを経験しているが、いまだに一度も勝てていない。ある時は小早川秀秋が裏切って本陣が瓦解。ある時は吉川広家が裏切って本戦に参加して壊走。ある時は本陣に最も近い島津義弘が裏切った。

 裏切りパターンは無数にあるが、どうも、最も裏切りやすいのはやはり小早川秀秋で、ダントツのトップ。全217回のうち、実に187回裏切っている。なので、関ケ原対策をするうえでは、小早川秀秋が裏切りが最優先課題なのである。

 それ以前の話として、小早川秀秋が戦場に来ないようにしたパターンに1度だけ遭遇したことがあった。これは、67回目の関ヶ原の戦いであった。実はこれには無理があった。小早川秀秋の部隊がいない状態で東軍とぶつかると、兵数の差で西軍が負けるのである。さらに、戦場にいなかった小早川秀秋の隊は大垣城を落城させるので、最悪の負け方をする。

 では、関ヶ原の戦いそのものを回避するとどうなるか?101回目と103回の戦いがそれであった。関ヶ原の戦いで家康との決戦を避けると、徳川秀忠が合流してしまうのである。103回目に至っては、徳川秀忠を足止めしていたはずの真田昌幸自体が裏切って、真田が決戦に参戦するというありさまであった。

 100回戦目くらいまでは、処刑前に柿は食べなかったが、このあとぐらいからは気にせずに柿を食べることにした。もともと、柿が好きなのだ。

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