約218回目の関ヶ原の戦い

乙島 倫

第1話 柿を食う石田三成

「おい、あなた、あんまり柿を食べすぎると体に毒だぞ」

「そうはいっても、俺は柿好きなんだよ」

「そうか、お前は今から首をはねられるのだぞ。その後の体調のことなど気にしても仕方ないからな」

「そうだよな。これから処刑されるんだもんな」

 余裕をもって答えているのは伊吹山中で捕らえられた石田三成であった。石田三成は馬に乗せられ、これから処刑場の河原に護送されていくところであった。

 光成は口の中から柿の種を吐き出したところで、三成の目の前に透明な竜が現れた。

「貴殿の志は高く、ここで死ぬのはまだ惜しい。時をさかのぼって、再度戦いに臨むことができるがどうするか?」

 この竜の姿に気づいているのは、どうやら、石田三成のみのようである。周囲の兵士たちは竜の出現に気づいておらず、整然と行進を続けていた。

「今度は大垣城を出るところから家康と戦いたい」

「心得た」

 竜の目が光ると、三成の身体は光に包まれた。

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