空(くう)になる
古 散太
空(くう)になる
宇宙まで見えそうな青空の下で
大の字に寝転がるビルの屋上
ゆっくりと流れていく小さな白い雲
明日のことなんて考えられない
この後のことなんて考えたくない
流れていく雲のテンポで
青空に吸い込まれていくように
わたしは無から空になる
どこかから聞こえるクラクションは
世界に広がるこの世の叫び声
誰の耳にも届いてるはずの悲鳴
わたしはもうその世界にいない
わたしはすべてを知ってしまった
幼稚な頭をフル回転させて
青空と混ざりあい溶けあうように
わたしは無から空になる
幸せと喜びがひしめき合っている
世界はもっと極楽浄土
ゆっくりと流れていくやさしい時間
何を学んできたのか分からない
この世が何なのか分からない
誰もが見ているこの世とは
違うこの世もあったりするから
青空と同じものになって
わたしは無から空になる
空(くう)になる 古 散太 @santafull
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます